イビツァ・ズバッツ

写真=Getty Images

古巣に対し「力になれたんじゃないかと思ってしまう」

2018-19シーズンのトレードデッドラインにレイカーズからクリッパーズにトレードされたイビツァ・ズバッツは、今もレイカーズファンの間で人気の高い選手だ。

クリッパーズに移籍後、彼は2年半を過ごしたチームに対する愛情が残っていることを否定せず、「レイカーズファンには感謝している。3年間もサポートしてもらえたことを、常にありがたく感じているよ。これからもレイカーズファンに対する僕の気持ちは変わらない」とコメント。移籍したクリッパーズは、シーズン開幕前の予想に反して、スター選手のいないロスターながらも2年ぶりのプレーオフ進出を決めた。3月にはリーグベストの13勝2敗という素晴らしい戦績を残し、激戦区の西カンファレンスにおいて、強豪スパーズ、サンダーを抑えて6位(47勝31敗)に躍進している。

4月2日の練習前、ズバッツは、未だにレイカーズファンから温かい言葉をかけてもらえていることを明かした。

「今もたくさんのレイカーズファンから、『いったいどうして俺たちのチームは君をトレードしたんだろう?レイカーズのフロントは、最大のミスを犯した』と言ってもらえるんだ。みんなから『いなくなってさみしいよ』とも言ってもらえるから、僕もこう伝えるようにしているんだ。『もし良いプレーが見たいなら、ウチの試合を観に来なよ』とね」

ズバッツ本人から試合に誘われたとしても、レイカーズファンがクリッパーズの試合を観に会場に足を運ぶとは考え難い。数カ月前までレイカーズの選手だったズバッツの発言には驚かされるが、彼はクリッパーズのイメージを変えようとしている。

「レイカーズファンのみんなには、プレーオフの試合が観たいなら、僕たちがステイプルズ・センターにいるからと伝えているんだ。あとは彼ら次第だけれど、これからも同じように言い続けるつもりだよ。みんな、クリッパーズに関して悪いイメージを持っているみたいだね。けれど、クリッパーズが何かをしたわけではないし、そんなことは一度だってない。ただ、LAを本拠地にしているもう1つのチームというだけのこと」

「レイカーズに加わってから、クリッパーズを嫌うように教えられた。これまで好きになったことはなかったけれど、このチームは本当に素晴らしいんだ。チームも、球団も、みんなが大家族のようでね。それだけ関係性が近いんだよ」

ズバッツは、クリッパーズに移籍してからの22試合で、平均9.0得点、7.5リバウンドを記録。彼曰く、クリッパーズにトレードされてからは個人スタッツを気にしなくなったという。

「レイカーズでの2年半では、あまり勝てなかった。今は勝てているから気分が良い。バスケットボールの見方が変わったんだ。個人のスタッツはどうだっていい。勝利が何よりも重要だから」

トレード後には「今もレイカーズの試合は、ほぼ見ているよ。試合を見るたびに、自分がいたら力になれたんじゃないかと思ってしまう。間違いなくコートで違いを生み出せたんじゃないかとね。でも、もう僕のチームではないから」と、レイカーズファンを泣かせる発言をしたズバッツだが、すでに気持ちを切り替え、クリッパーズの勝利のために全力を尽くしている。

「レイカーズファンは、僕がいなくなって寂しいと思ってくれているようだし、トレードを後悔してくれているみたいだね。クリッパーズファンは、僕がチームでプレーしていることを喜んでくれているよ」