文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

ギャレットとギブスが持ち味を発揮し、一進一退の展開に

月曜ナイトゲームとなったアルバルク東京と栃木ブレックスの首位攻防戦。第2ラウンドは、後半に猛攻を仕掛けたA東京が栃木の堅守を打ち破り前日の雪辱を果たした。

オン・ザ・コート数は昨日と同じ。A東京が「2-1-1-2」で栃木が「1-2-1-2」と、前半にズレが生じる。

前半は互いに外国籍選手がゲームを作る。A東京はディアンテ・ギャレットが序盤からエンジン全開。ドライブで栃木のディフェンスを切り裂き、外からも3ポイントシュートを2本沈め第1クォーターだけで14得点の荒稼ぎを見せる。

対する栃木もジェフ・ギブスが持ち味をいかんなく発揮する。パワープレーでインサイドを制圧し、アリウープも飛び出すなど第2クォーターで11得点を奪った。

A東京はギブスのインサイドを止められずタイムアウトを要求する。だがタイムアウト後の攻撃で田中大貴が囲まれてボールを奪われ、フリースローで22-30とリードを広げられてしまう。攻守が噛み合った栃木に、一気に突き放されてもおかしくない流れの中、A東京を救ったのが竹内譲次だった。直後のオフェンスでフリースローを2本沈め流れを断ち切ると、続く攻撃では3ポイントシュートを2本連続で沈める。

ここまで、A東京はギャレットの個人技が光り、チームとしてはそのサポートこそできていたものの、『ギャレット頼み』の印象は拭えなかった。だが、ギャレットが3分弱しかプレーしなかった第2クォーター、この竹内の連続3ポイントシュートを機に持ち直し、前半を41-41の同点で折り返した。

ギャレット抜きの第3クォーターに噛み合ったA東京

竹内の3本目となる3ポイントシュートでスタートした第3クォーター、竹内の外角を警戒したビッグマンが釣り出されてインサイドが空き、そのスペースを生かすことでA東京の攻撃が活性化する。

オン・ザ・コート「1」の第3クォーターはギャレットが全休。交互に起用されるジェフ・エアーズとトレント・プレイステッド2人が11得点を挙げる。アシスト役に回っていた田中もスペースを利用し、得意のドライブから初フィールドゴールを記録するなど、序盤に大活躍したギャレットを使うことなく、ボールがよく回りバランスの良いオフェンスを展開してリードを広げた。

守備でも栃木のお株を奪う強固なディフェンスでタフショットを打たせ、4分間無失点に押さえ込む。ディフェンスからリズムを作れない栃木は、この第3クォーターだけで4つのターンオーバー。これをきっちり得点に繋げたA東京が25-10と圧倒する第3クォーターとなった。

最終クォーター、点差を詰めたい栃木はギブスのバスケット・カウント、ロシターのジャンプショットで最高のスタートを切る。だが、正中岳城がここぞとばかりに3ポイントシュート、ペイントでのシュートを決めてすぐさま反撃の芽を摘んだ。

栃木はA東京のオフェンスリズムを狂わそうとゾーンディフェンスを敷くが、ここでも正中がゾーンに変更後の最初のオフェンスで3ポイントシュートを決めて点差を20点の大台に乗せた。

その後、須田侑太郎の3ポイントシュートなどで点差を詰められるものの、時間を計算しながら得点を重ね、最終スコア89-73でA東京が前日のリベンジを果たした。

ウィスマンHC「気持ちをより強く持ったチームが勝った」

ギャレットが今シーズン最短となる21分半のプレータイムながらゲームハイ(タイ)の25得点を記録。竹内が15得点、正中が11得点と、試合の流れを変えた2人も得点を2桁に乗せた。田中は6得点ながらピック&ロールでディフェンスを引き寄せ、8アシストをマークした。

敗れた栃木はギブスが25得点を挙げるも勝利には結び付かず、ライアン・ロシターは11得点と低調な結果に。全体を通して6ターンオーバーに抑えたが、大差をつけられた第3クォーターに4ターンオーバーが集中した。アシストはA東京の17に対し、栃木は8。ギブスのインサイド攻撃が機能した半面、そこに頼りすぎてパスが回らなかった。

アルバルク東京の伊藤拓摩ヘッドコーチは、第3クォーターで圧倒できた理由として、ハーフタイムでの作戦をしっかり遂行できたことを挙げた。「ハーフタイムにスタッフが話し合うのですが、最近は選手同士でも話し合っていて、今日はスタッフと話した内容と一緒でした。まずはギブスのディフェンスの対応。そして相手がピック&ロールディフェンスを少し変えてきていたので、そこをどう攻めていくかという話をしました」

栃木を指揮するトーマス・ウィスマンは「勝つんだ、という気持ちをより強く持ったチームが勝った」と、精神面で相手が上回ったことを認めた。「自分たちは昨日勝った後に、2連勝するのが目標だった。上位同士の戦いで連勝はどのチームもなし得ていない。それを目標にしたが、上位チームに連勝するのはやはり難しいと感じた」

これで再び両者のゲーム差は1に。プレーオフ進出が濃厚な両チームだけに、あとはどちらが首位通過するかが注目される。

月曜のナイトゲームにもかかわらずチケットは完売、代々木第二は3087人の観客で埋まった。選手会の会長も務める竹内譲次は「スタンドが真っ赤で、その中に黄色の一角もあって。プレーオフのような雰囲気に盛り上げてもらって、プレーするこちらも当然、気合いが入ります。ありがたいです」と、A東京はもちろん栃木のファンにも感謝を述べた。

満員の会場で、『地区首位決戦』にふさわしいレベルの高い攻防が繰り広げられた2連戦だった。Bリーグ初代チャンピオンを目指す戦いは今まで以上に熱を帯びていく。