ブロニー・ジェームズ

8得点を挙げるも3ポイントシュートは8本放って成功なし

カリフォルニア・クラシックとソルトレイクシティ・サマーリーグを経て、ラスベガスでの『サマーリーグ本番』が現地7月12日に開幕した。レイカーズに2巡目55位で指名されたブロニー・ジェームズは、サマーリーグで3試合目となる出場を果たした。

開始1分、ボールプッシュからそのままブロニーが3ポイントシュートを放つと、トーマス&マック・センターの観客は大歓声を上げた。このシュートはリムに嫌われたが、味方のオフェンスリバウンド奪取からボールを受け取ったブロニーは、今度はドライブで仕掛ける。リムを守る相手センターを流れるような動きでかわすフィニッシュは父親を彷彿とさせるもので、得点が決まると再び大歓声が上がった。

続くドライブは相手のブロックショットに阻まれたが、3度目のドライブでは相手のファウルを誘ってフリースロー2本成功で追加点。続いてのオフェンスでは相手の連携ミスでマークが外れ、タイミング良く出てきたパスを受けて迷わずダンクを叩き込んだ。

しかし、ブロニーの華やかなパフォーマンスはここまで。試合開始から6分が経過したところで一度ベンチに下がり、第2クォーター途中に戻って来た時には勢いを失っていた。立ち上がりのようにボールに絡めず、リズムをつかめない。後半になっても調子は上がらず。第4クォーターにドライブからのフローターで久々の得点を決めたものの、最初の6分で6得点を奪った後、追加点はそれだけだった。

27分のプレーで8得点。フィールドゴール14本中3本の成功で3ポイントシュートは8本放って1本も決まらず。ここまでの出場3試合でフィールドゴール26本中6本成功、3ポイントシュートは12本を放って成功なし。前から当たるディフェンスは機能し、得点以外は5リバウンド2スティールと奮戦しているが、あまりにもシュートが決まっていない。

「大勢の人が来てくれて、素晴らしい雰囲気だった」とブロニーは応援に感謝するが、自分のパフォーマンスには納得できていない。「ちょっとしたシュートスランプに陥っている」と彼は言う。

ブロニーは3試合を通じてオフェンスで苦戦しているが、サマーリーグでレイカーズの指揮を執るデーン・ジョンソンは「ブロニーに求めるのはアグレッシブな姿勢だ。今日のシュートは気にしていない。練習を続けていけば決まるようになる」とブロニーを評価。レイカーズの新たなヘッドコーチ、JJ・レディックは『ESPN』のインタビューにこう答えている。「昨年に心臓の手術を受けたばかり。まだコンディションを整えている段階だ。練習で見たものも、サマーリーグで見たものも私は気に入っているよ」

サマーリーグ開幕を前に、ブロニーは「レベルに関係なく試合でプレーできるのが楽しみだ。自分が成長できるチャンスは一つも逃したくない」と意気込みを語っていた。

レブロンという偉大な父親を持ち、しかもレイカーズで一緒にプレーするとなれば、圧倒的な注目を集めることからは逃れられない。結果を出さなければ悪意ある批判にも晒される。ブロニーはすでに4年790万ドル(約12億円)の契約を結び、その立場は保証されているものの、出場機会は勝ち取らなければいけない立場。サマーリーグで結果を出せなければNBAデビュー、NBA定着は遠ざかり、Gリーグを主戦場にすることになるだろう。

ただ、レディックが言うように病気を乗り越えた分だけスタートで出遅れるのは仕方のない面もある。プレッシャーのかかる局面ではあるが、サマーリーグの数試合だけで選手としての評価が下されるわけではない。慌てず経験を積み、次の成長に繋げることが、今のブロニーに求められることだ。