25得点5リバウンド1アシストと攻守に存在感を発揮
試合当日のシュートアラウンドで、取材に応じるカール・アンソニー・タウンズのそばを通りがかったアンソニー・エドワーズは「KAT(タウンズ)は今日3ポイントシュートを8本成功させるよ!」と叫んだ。タウンズはうれしそうに「面白い予言だな」と答え、こう続けた。「これまでに積み重ねた努力があるから、自信とともにコートに立つことができる。いつものようにシュートを打ち、それが決まるのを見たいね」
3ポイントシュート8本成功という予言は当たらなかったが、それでも5本中4本成功は素晴らしい出来だ。タウンズは今回のプレーオフで最高と呼ぶべきパフォーマンスを見せ、25得点5リバウンド1アシストを記録。ファウルトラブルに陥り、ルカ・ドンチッチのシュートフェイクに引っかかって残り1分38秒で退場となったが、その前に98-92とリードを広げる3ポイントシュートを決めるなど、試合に十分なインパクトをもたらした。
ファウルトラブルになりながらプレーしていた時の心境をタウンズはこう説明する。「0勝3敗と追い詰められているんだから、迷う余裕なんてなかった。アグレッシブに攻めて自分のシュートを打つことを考えたし、ディフェンスでは自分のポジションにいることだけを考えた。自信と積極性を失わないこと、考えていたのはそれだけだよ」
そして残り39秒、勝利を大きく引き寄せる得点を挙げたのがアンソニー・エドワーズだった。タウンズ退場後、ドンチッチのフリースロー3本とカイリーのジャンプシュートで点差は3まで縮まった。アメリカン・エアラインズ・センターを埋めたマブスのファンは、過去3試合がそうだったようにクラッチタイムの勝負強さでマブスが逆転するものだと信じて大歓声を送っていた。この雰囲気でシュートを決めるのは簡単ではない。それでもエドワーズは落ち着いて、ルディ・ゴベアのスクリーンを3度使ってマークを引きはがし、ミドルジャンパーを決めた。
ゲームハイの29得点、さらに10リバウンド9アシストを記録したエドワーズは「バスケの楽しさを取り戻すことができた。それがすべてだ」と語る。「前回の試合は序盤には楽しめていたのに、試合が進むにつれて感情が消えていってしまった。でも今回は試合を通じて喜びがずっとあった。『どんな時も試合を楽しめ』と教えてくれた大学のコーチに感謝したい。あとはいつも楽しくバスケをさせてくれるチームメートにもね。みんながいるからこそ、僕は笑顔で冗談を言い、楽しい時間を過ごせることができ、その楽しさをコートにも持ち込めるんだ」
そして隣に座るタウンズに「ファウルアウトしたから帰りのバスで殴るよ」とジョークを飛ばした。
マブスはドンチッチが28得点、アービングが16得点。デレック・ライブリー二世が前の試合で首を痛めて欠場となったが、ダニエル・ギャフォードが12得点8リバウンド3ブロックとパワフルなパフォーマンスを見せ、マキシ・クレーバーやジョシュ・グリーン、ダンテ・エクサムとプレーオフで存在感のなかった選手たちのハッスルもあった。地元ファンの前でシリーズ突破を決めることはできなかったが、指揮官ジェイソン・キッドは負けを深刻に受け止めるのではなく、「このリーグで接戦を勝ち続けられるはずがない。今日はウルブズの出来が良かった。それだけだ。ウルブズを褒めるべきだ」と語った。
判定を巡って自分がテクニカルファウルを受けたウルブズ指揮官のクリス・フィンチはこう言った。「多くのファウルトラブルを乗り切った選手たちを褒めたい。彼らが試合に勝つ方法を見つけてくれたんだ」