山崎稜

CSの7試合で45本中26本の3ポイントシュートを成功

広島ドラゴンフライズは琉球ゴールデンキングスとのBリーグファイナル第2戦に72-63で勝利し、シリーズを第3戦に持ち込んだ。

第1戦は15本の3ポイントシュートを高確率で(45.5%)決められ、62-74で敗れた。第2戦は広島が18本中11本(61.1%)の長距離砲を沈め、スイッチディフェンスが機能と、内容も含めてやり返した。

この勝利の立役者となった一人が山崎稜だ。琉球のタフなディフェンスをかいくぐり、一瞬の隙を突いて5本中4本の3ポイントシュートを沈めた。本人が「CS(チャンピオンシップ)に入ってから本当に調子が良い」と言うように、CSの7試合で45本中26本の3ポイントシュートを成功(57.8%)と質、量ともにレギュラーシーズンを大きく上回っている。もちろん、第3戦ではさらにマークが厳しくなることが予想されるが、それでも今以上に本数を打っていきたいと山崎は語った。

「琉球のディフェンスは素晴らしいですし、なかなかマークがキツイので、また火曜日に打てるかは分かりません。でも入る自信しかないですし、もっと打っていきたいと思います」

当然ながら、チームメートも山崎のシュート力を信頼している。最終クォーター残り4分半、フィフティフィフティのボールを確保した中村拓人がボールをプッシュし、ヴィック・ローのブロックショットをかいくぐってコーナーで待つ山崎へパスを送った。中村はそれが入ることを確信し、シュートの行方を確認せずに手を上げながら自陣へ戻っていった。中村は言う。「本当にシュートがうまい選手なので、パスを出した瞬間に入ると思っていました。信頼関係というか、ノーマークだったらどんどんパスを出したいと僕も思っているので」

山崎もそのシーンを覚えており「走っている最中にアイコンタクトができたので来るかなと思いつつも、拓人もリバースレイアップが得意なので、ちょっと期待しながら待ってました」と振り返った。

結果的に跳ね返したが、第3クォーターには2桁のビハインドを背負う時間帯もあった。それでも、山崎が「後半に強いのは自分たちも分かっているので」と言うように、広島は焦らずにチームプレーを遂行し、見事な逆転勝利を収めた。個人としてもチームとしても結果を残すことができ、シューター冥利に尽きるだろう。山崎も「大舞台でしっかり自分のパフォーマンスが発揮できてうれしいですし、やっていてすごく楽しい」と言う。最高に楽しんでシーズンを終えるためにも、第3戦でネットを揺らし続ける。