タイリース・ハリバートン

TJ・マッコネル「チーム全体でステップアップを」

ペイサーズのタイリース・ハリバートンは、セルティックスとのカンファレンスファイナル第2戦の前半に左足ハムストリングを痛めた。ハーフタイムに治療を受けてコートに戻ったものの、第3クォーター途中でプレーを切り上げ、それ以降はプレーしなかった。

ヘッドコーチのリック・カーライルは、その時点で敗戦を受け入れ、第4クォーターにはマイルズ・ターナーとアーロン・ネスミスをプレーさせず、パスカル・シアカムとTJ・マッコネルも2分半プレーしたのみ。ダグ・マグダーモット、ジェイレン・スミス、ジェレス・ウォーカーといった、これまでプレータイムがほとんどなかった選手を起用した。主力の消耗を避けるというよりは、敵地での連敗から巻き返すための戦力を見極めるような采配だった。

第3戦のハリバートンのステータスは『クエスチョナブル』。ホームに戻っての第3戦と第4戦でハリバートンがプレーできないのだとすれば、こういった選手の働きが必要となる。アンドリュー・ネムハードとマッコネルは計算できるバックコートだが、それだけでは足りない。

ハリバートンは人とボールが高速で動く攻撃的バスケの中心であり、リーグトップの10.1アシスト、さらに20.1得点を記録し、フィールドゴールアテンプトはシアカムに続く2番目、3ポイントシュートアテンプトはチームトップと、オフェンスに欠かせない存在である。

「タイ(ハリバートン)を失うのは痛手だ」とカーライルは言う。左足のハムストリングは、1月にも彼が痛めた箇所だ。奇しくも相手はセルティックス、ドライブで仕掛ける際にフロアで足を滑らせ、股関節が限界以上に開いたところに自分の体重が加速度とともに乗ってしまった。左足ハムストリングの肉離れで、2週間の戦線離脱と診断されたが、実際に本来のプレーを取り戻すにはその倍の時間を要した。彼のケガにより、インシーズン・トーナメント準優勝に象徴されるペイサーズの快進撃は断ち切られ、彼だけでなくペイサーズもリズムを取り戻すのに苦労した。

カーライルは言う。「タイは第3クォーターもコートに立ち、全力を尽くした。彼とはまだ話をしていないが、相当厳しかったのだろう。前回ケガをした箇所と同じだと思う。ただ、現時点では痛みがあること以外に詳細は分からない」

その時の再現が今回起きたのだとしたら、ペイサーズは非常に厳しい状況に追い込まれたと言わざるを得ない。1月にはまだ戦力だったベネディクト・マサリンは膝の手術で戦線離脱、バディ・ヒールドはトレードデッドラインで移籍した。その代わりにシアカムが加わっているが、ポジション的にも役割的にもハリバートンの穴は埋められない。

マッコネルは言う。「タイリースはチームのために多くの仕事をこなしている。彼のように、当たり前に10アシストを記録するなんて芸当は他の選手にはできない。その彼が倒れた以上、チーム全体でステップアップするしかないんだ。彼の状態についてはまだ何も聞いていないけど、抜けるとしたら大きな痛手だよ。でも、『ネクスト・マン・アップ』のメンタリティでやっていく。彼が不在の時にボールを動かし、ペイントに入るのはチームでやるべき努力だ」