ジェイソン・キッド

対戦相手のエドワーズを絶賛「能力だけでなく笑顔でも彼は人を惹きつける」

今年のプレーオフ、マーベリックスはファーストラウンドでクリッパーズ、カンファレンスセミファイナルでサンダーをそれぞれ42敗で撃破。チーム唯一のNBA制覇を達成した2011年以来となるファイナル出場を目指し、ティンバーウルブズとのカンファレンスファイナルに臨む。

チームを率いるジェイソン・キッドヘッドコーチは、この2011年のチャンピオンチームにも在籍。当時、37歳の大ベテランであったが、不動の先発ポイントガードとしてレギュラーシーズン80試合出場で平均7.9得点、8.2アシスト、4.4リバウンドを記録し、プレーオフでも全21試合に先発出場で平均35.4分出場、9.3得点、7.3アシスト、4.5リバウンドと見事な活躍だった。

中心選手としてだけでなく指揮官としても同一チームをファイナルに導くことになれば、リーグ史上に残る偉業となるが、キッドはティンバーウルブズに敬意を示し、特に相手のエースであるアンソニー・エドワーズを絶賛する。

「アント(エドワーズ)は22歳にして、才能だけでなくリーダーシップを備えている。それはとても特別なことだ。能力だけでなく、笑顔でも彼は人を惹きつける。彼はすべての資質を備えたこのリーグのスターだ。チームメイトは彼を信頼しているし、そうあるべきだ。今、彼は世界屈指の選手であり、このプレーオフではリーダーとしても成長していることを示している」

もちろんマーベリックスには、エドワーズと同等に傑出した才能とカリスマ性を備えたルカ・ドンチッチというスーパースターがいる。2人以外にもマーベリックスにはカイリー・アービング、ティンバーウルブズにはカール・アンソニー・タウンズという個の力で流れを変えられる選手がおり、スターパワーは互角といったところだろう。だからこそ、キッドは勝敗を分けるポイントを次のように考えている。

「スターパワーを見れば、このシリーズにはスター選手がたくさんいる。でも、ロールプレイヤーが最高のプレーを見せたチームが、シリーズのアドバンテージを得ると思う」

振り返れば、サンダーとのカンファレンスセミファイナルにおいて、マーベリックスはPJ・ワシントンが活躍。シーズン途中にホーネッツからトレードで加入し、レギュラーシーズンでは29試合出場で平均11.7得点、6.2リバウンドだったワシントンはプレーオフで大きなステップアップを果たし、第6戦で決勝のフリースローを沈めるなど、6試合平均で17.7得点、8.3リバウンドを記録している。

再びのワシントン、もしくは他の脇役たちの飛躍こそ、マーベリックスに求められる要素となる。