アル・ホーフォード

「ファンのエネルギーと愛情はありがたい限りだ」

ボストンでの第5戦を113-98で制し、セルティックスはキャバリアーズを4勝1敗で撃破した。プレーオフでは何が起こるか分からないと言われるが、セルティックスはその『何か』を起こす余地をキャブズに与えず、順当にカンファレンスファイナルへと駒を進めた。

ドノバン・ミッチェルとジャレット・アレンが欠場するキャブズに戦う力は残っておらず、後半立ち上がりに突き放された後、第4クォーター序盤に再び粘りを発揮して点差を詰めたが、セルティックスを脅かすには至らなかった。

セルティックスは先発全員が2桁得点。ジェイソン・テイタムは25得点9アシスト、ジェイレン・ブラウンは11得点7アシストで、いずれも自分でシュートを打つよりボールを動かすことを優先し、チームオフェンスを機能させた。ドリュー・ホリデーとデリック・ホワイトの『仕事人』も、プレーオフで真価を発揮している。

ただ、誰よりも勝つ意思を出し、集中してプレーしていたのがアル・ホーフォードであることに異論は出ないだろう。クリスタプス・ポルジンギスはふくらはぎを痛めて欠場中で、すでにトレーニングは再開しているがこのシリーズでは結局1試合にも出場できない状況で、37歳のベテランが奮起した。

この第5戦でのホーフォードは22得点15リバウンド5アシスト3ブロック1スティールを記録。「最高の気分だけど、それはスタッツを残したからじゃない。勝利が僕にとって唯一満足できることだ」とホーフォードは笑顔を見せる。

「キャブズは主力を何人も欠いていたのに決してあきらめず、僕らを苦しめるシーンが何度もあった。チームに勢いを与えるようなプレーをしようと思ったけど、立ち上がりは上手くいかず、試合中のハドルでもそう声を掛けたけど、なかなか上手くいかなかった。決して簡単な試合じゃなかったからこそ勝ててうれしいし、ホームのファンの前でシリーズ突破を決めることができて良かった」

セルティックスの6点リードで迎えた第3クォーター、開始直後にキャブズの反撃を浴びて2点差とされたが、そこからホーフォードがダンク、ルーズボールを拾ってテイタムのイージーバスケットをアシスト、そして3ポイントシュートと大活躍。セルティックスはあっという間に2桁のリードを取り返した。その後、ルーク・コーネットとの交代でベンチに戻る時には、その背中にファンからの大きな拍手が贈られた。

「ファンのエネルギーと愛情はありがたい限りだ。彼らは僕たちに激しく戦うことを求めている。今日の試合では彼らの盛り上げ方と僕らのプレーに繋がりがすごく感じられた。そういう意味で特別な試合だった」

セルティックスのカンファレンスファイナル進出は直近の8年で6回目、そして3シーズン連続となる。『ホーおじさん』は「特別なことだし、だからこそ意味がある」と語る。「勝てずに批判されることがあっても全員が努力し続け、チームのために何がベストかを考えて行動してきた。今シーズンのテーマもそれで、チームのためにそれぞれが犠牲を払うことだった。そうやって今ここにいることを誇りに思うよ。でも、ここからさらに歩みを進めたい」