デリック・ホワイト

「この先もアグレッシブに、正しくプレーする」

セルティックスは現地5月1日に行われたヒートとの第5戦を118-84で快勝し、第8シードのヒートにカンファレンスファイナルで敗れた昨シーズンのリベンジを果たした。ヒートの3ポイントシュートが43本中23本(成功率53.5%)と当たりまくった第2戦は落としたものの、概ね危なげない戦いぶりでの4勝1敗だった。

セルティックスの誰も、昨シーズンのリベンジについて言葉にしなかったが、意識していなかったはずはない。ジェイソン・テイタムは「この勝利は僕たちがチームとして成熟するために必要なものだった」と語るに留めた。

もっとも、ヒートはあまりにもケガ人が多すぎた。『ヒート・カルチャー』を体現するジミー・バトラーはプレーイン・トーナメントでのケガで結局プレーしないまま。テリー・ロジアーも首のケガで出場できず、第5戦はルーキーながら激しいプレーで攻守を支えていたハイメ・ハケスJr.も欠場。バム・アデバヨが孤軍奮闘したが、力及ばなかった。

セルティックスでもクリスタプス・ポルジンギスがふくらはぎを痛めているが、先発に昇格したアル・ホーフォードが安定したプレーを披露。2番手に昇格したルーク・コーネットもスタッツは目立たなくてもアデバヨ相手によく戦い、ポルジンギスの穴を埋めた。

セルティックスのどの選手も良い働きを見せた中で、特に目立ったのはデリック・ホワイトだ。優れたロールプレーヤーである彼はファーストラウンドの5試合で平均22.4得点を記録。ジェイレン・ブラウンの22.8得点、テイタムの21.8得点に並ぶ数字で、ヒート相手に楽なシリーズ展開にできたのはホワイトの活躍が大きかった。

「序盤からアグレッシブに攻めて、ペースを上げて、レギュラーシーズンを通して自分たちがやってきたバスケをすべて実行できたと思う」とホワイトは言う。

黒星を喫しても動揺せず、次の試合ですぐに立て直す。そこにホワイトはプライドを持っている。「大敗しても、すぐに切り替えて再スタートを切り、1年を通して全員が同じ方向を向いていた。プレーオフは感情のコントロールが難しいけど、レギュラーシーズンと同じようにやれたと思う。勝ってもハイにならず、負けてもローになりすぎず。ただ向上することを考え、やるべきことをやり続けたんだ」

だからヒートを破ってシリーズを突破した今も、ホワイトはほとんど喜ばない。「今夜は楽しんで、次のシリーズに備えたい。まだ相手は決まっていないけど、第8シードがヒートに決まった時と同じで、きっちり準備を整えて、相手が決まったら気持ちを集中させるよ。キャバリアーズもマジックも良いチームだから、僕らにとってはチャレンジになる」

「ただ、どちらが来るとしても楽しみなんだ」とホワイトは笑顔を見せた。「プレーオフというのは、レベルの高い相手と戦うシーズンで最高の時期だ。この先もアグレッシブに、正しくプレーすることを心掛けたい。そうすることでチームの勝利に貢献したいんだ」