高田静

外角シュートの精度とスタミナを持ち味にメンバー入り

『FIBA 3×3 ユニバーサリティ・オリンピック予選2(UOQT2)』(5月3〜5日、栃木県宇都宮市で開催)に向けた強化合宿中の3人制女子日本代表。11名の候補選手のうち最年長としてこの合宿に参加し、6名の大会登録メンバーに選出されたのがENEOSサンフラワーズの高田静だ。

現在27歳、169cmのポイントガードは昨年5月に初めて3x3日本代表候補にピックアップされると、3人制で重要視される外角シュートの精度やスタミナが評価され、同年6月の『FIBA 3×3ワールドカップ2023』で代表デビュー。5人制と同様に世界的な強さを誇るアメリカ代表と対戦するなど経験を積んだ。

4月23日の公開練習で取材に応じた高田は、5日前からスタートした合宿について次のようにコメントしている。

「UOQT2まであと2週間と限られているので、質を高めることが求められる合宿。ディフェンスやリバウンドなどのチームの基準をどれだけ上げていけるかがポイントだと思っています。それを高めるためには、コーチから言われたことを遂行するのはもちろん、選手同士でしっかりコミュニケーションをとることが大切になっていくと思うので、特に意識しながら頑張っているところです」

昨年秋に開幕したWリーグでは開幕から先発ポイントガードとして活躍。2月末にケガをしてからは控えに回ったものの、4月頭のプレーオフまでみっちり戦い抜いた。コンディションを問われると「悪くはないかなという感じですが、もっと上げていきたいところです」とコメント。足の状況については「今はそれほど支障のないレベルまで回復している」と説明した。

3人制の競技歴は上記のとおり1年足らずと多くはないが、5人制とサイズが異なるボールの扱いや、1日複数試合が当たり前というスケジュールに対してはアジャストできているという。とはいえ、合宿序盤に組まれた大学生との練習ゲームでは久しぶりの『接触上等』の戦いに「本当にバテてしまった」と苦笑した。

高田静

宮崎早織からは「ハンガリーは本当に遠いよ」と念押し

ENEOSの同僚である宮崎早織が躍動した5人制のオリンピック最終予選は、テレビで応援したという。「すごく感動した」と振り返った高田は、自分たちもそこに続きたいという思いを言葉にした。

「3人制でもしっかりオリンピック出場を獲得することで、あのときのような感動を見ている人たちに与えられると思います。日本の5人制はオリンピック予選で『日本のバスケットはこういう感じだ』っていうものをしっかり見せたと思うんですけど、3人制も日本らしいバスケット…小さくても速さで勝っていく面白いバスケットをして、いろんな人に見てもらえたらいいなと思います」

ちなみに、UOQT2で最上位を勝ち取ればオリンピックの出場権を得られるが、それが達成できない場合は、ハンガリーで開催される『FIBA 3×3 バスケットボール オリンピック予選』に進む。高田は同様にハンガリーで予選を戦った宮崎から「ハンガリーは本当に遠いよ」と念を押されたと笑い、「宇都宮で決めれたらいいなと思います」と言った。

3人制の国際大会は海外で開催されることが多く、自国で戦える大きなチャンス。高田は「日本のファンの方は映像でしか3人制を見たことがない人がほとんどだと思うので、足に運んでいただける距離で戦えるのはすごく大きいと思う」と、ファンの声援を含めたホームコートアドバンテージに期待を寄せている。

執筆現在の栃木の天気予報は晴れ。最高気温は25度近く、ハードなコンディションで戦うことが予想されるが、高田は大切なのは『ファーストパンチ』と力を込めた。

「ゲームが10分間しかないので、出だしはすごく大切になってくると思います。少しでも控えめに入ってしまうと流れを持ってくるのが難しくなります。そして1試合1試合、出だしからしっかり『自分たちのバスケットをやるんだ』という意識を持って、試合ごとにすぐ頭を切り替えてやっていくことが大切になると思います」