カンファレンストーナメントで1勝すれば確定か
レギュラーシーズン大詰めのNCAAバスケットボール。今シーズンの大学王者を決めるNCAAトーナメントの開幕までわずかとなった。今週中にすべてのカンファレンストーナメントが終了し、現地17日にはNCAAトーナメント出場チームと組み合わせが発表される『セレクションサンデー』が行われる。
NCAAトーナメントには全68チームが出場するが、その内の32チームはカンファレンストーナメントの優勝チーム。残りの36チームとシード順は、各チームの成績や対戦相手のスケジュールなど複数の要素を考慮して、選考委員会が決める。
日本人選手関連では、仙台大学附属明成高校出身の菅野ブルースが在学するステットソン大が、アトランティック・サン・カンファレンスのトーナメントで優勝し初出場を決めた。菅野は今シーズンローテーションから外れているが、大舞台の経験は今後のキャリアに大きなプラスとなるだろう。
富永啓生が所属するネブラスカ大もマーチマッドネス出場の可能性が高い。ネブラスカ大は今シーズンチームトップの平均14.6得点を挙げた富永の活躍を軸に、ここまでの公式戦で22勝9敗。全米屈指の強豪であるビッグテン・カンファレンスでも12勝8敗の3位と勝ち越しに成功した。現地1月9日、当時全米ランキング1位だったパデュー大に88-72で勝利し、全米を沸かせたことは記憶に新しい。
実績十分、ネームバリューの高い学校が多く在籍するビッグテン・カンファレンスからは、NCAAトーナメントに毎年多くのチームが選出されている。過去3シーズンを見ると2021年と22年は全14チーム中9️チーム、昨年は8チームと過半数以上のチームが出場しているのだ。
一方で、この3年間における同カンファレンス代表のトーナメント成績は低迷。21年にミシガン大が8強に進出したが、過去2年間は最高でも16強止まりとなっており、「ビッグテンから選びすぎだ」と批判の声も高まった。さらに現時点で全米ランキングのトップ25に入っているのがパデュー大、イリノイ大の2チームのみに留まっていることを受けて、今年は6チーム前後の選出になると予想されている。
だが、カンファレンス3位という好成績をマークしているネブラスカ大は、主要メディアのトーナメント出場校予想では総じて、全16シードのうち、第9シードから第10シードでの出場が予想されており、まだ100%確定と言える状況ではないが、2014年以来の出場は濃厚。シード扱いとなっているカンファレンストーナメントで1勝し、4強入りを果たせば確定と言って良いだろう。
『マーチマッドネス(3月の狂気)』と称される、全米のスポーツファンが熱狂する大舞台で、持ち味の3ポイントシュートを武器に富永が大暴れする姿に期待だ。