富樫勇樹

文=鈴木健一郎 取材協力=バスケットLIVE

アウェーの難しさは「あまり気にせず戦いたい」

バスケットボール男子日本代表は、ワールドカップ予選のラスト2試合に向けた準備を進めている。4連敗から6連勝と巻き返し、ワールドカップ出場が手に届くところまで来たが、2月21日のイラン戦、24日のカタール戦はいずれも敵地での開催。ホームアドバンテージの優位を強く感じた今だからこそ、日本から遠く離れた中東でのアウェーゲームはより難しく感じられる。

日本の司令塔、富樫勇樹もその難しさを感じる一人だ。「やっぱりアウェーでやる大変さはかなり感じています。今回で言うと長く海外で調整するスケジュールで、さらにイランとカタールには行ったことがなく、どういう環境でどういう食事が出て来て、というのも分からないのでちょっと不安はあります。でも、あと2試合に勝てばワールドカップが決まる状況なので、あまり気にせず戦っていきたいと思います」

2016年秋にBリーグがスタートしてから、男子バスケットボールを取り巻く環境は大きく変わった。富樫も千葉ジェッツのエースとして成功をつかみ、日本代表のポイントガードに定着。身長は小さいが多彩なオフェンス能力と国際レベルで通用するスピードでアジアでも結果を残している。そんな中で『応援の力』がどれだけの意味を持つか、あらためて感じると富樫は言う。

「やっぱりリーグ1年目と2年目で、1年目は栃木さんのホームでチャンピオンシップで負け、昨シーズンはホームで4試合戦うことができてファイナルまで行けたので。もちろんリーグ戦でも感じますけど、それ以上にチャンピオンシップのホームとアウェーの違いを感じられたので、それはやっぱりブースターの応援が違うからだと思います」

富樫勇樹

「千葉は確実にDリーグよりも上を行っています」

海外でのプレー経験を含めても、今の『応援の力』の大きさが感じられる。「アメリカはNBAやNCAAという飛び抜けた2つがある中、自分が経験したのは当時のDリーグだったので、お客さんの入る入らないのバラつきが結構あった印象です。使っているアリーナも含め、NBAと比べると狭いし、演出もほとんどなかったりだとか。それに比べると千葉は確実にDリーグよりも上を行っています」

Bリーグの、そして日本代表の応援は今後、どのようなスタイルになっていくのが選手としては望ましいのだろうか。「各チームのブースターの皆さんが集まって応援してくれていると聞くので、別に決まったやり方がなくてもいいんじゃないかなと思います。各チーム違う応援の仕方もあると思いますし、自分が応援しているチームの特徴を生かしてもいいと思います。来てくれるだけでうれしいので、その期待に応えられるように頑張りたいです」

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最後に富樫は日本代表を応援するすべての人へ、こう呼びかけた。「4連敗から6連勝、ホームとアウェーにかかわらずたくさんの人が応援しに来てくれたおかげで、今の位置にいると思います。あと2試合、イランとカタールに何人来てくれるか分からないですけど、是非気をつけて応援に来てもらいたいです。2連勝して全員で喜びましょう!」

ワールドカップ予選Window6では、2月21日にイラン戦が、24日にカタール戦が行われる。