「組織が大好きだった。毎日、一緒に働くみんなのことが大好きだった」
現地31日、バックスはアウェーでトレイルブレイザーズと対戦する。デイミアン・リラードにとって、プロ入りから昨シーズンまで11年間在籍していた古巣への初の凱旋試合となる。
今オフのリラードのバックスへの移籍はリーグ全体に大きな衝撃を与えたが、リラードにとっては、ブレイザーズとポートランドの街が引き続き特別な存在であることは変わらない。移籍先がリラードの切望していたヒートではなくなるといったゴタゴタがあり、後味の悪い別れ方となってしまった側面はあるが、今はそういったわだかまりもない。
慣れ親しんだブレイザーズの本拠地・モッダセンターでの試合を翌日に控えた心境をリラードはこう語る。
「組織が大好きだった。毎日、一緒に働くみんなのことが大好きだった。人間関係が壊れていないのにチームを去るのは最も辛い部分だった。だからここに戻って来られて、僕は素晴らしい状況にいる。(移籍を決めたのは)すべて勝利を勝ち取るためだ。僕は愛を持ってここに来た。モッダセンターに戻って来られることにワクワクしている」
リラードの加入したバックスはここまでリーグ上位の成績を残しており、彼が古巣を去った唯一の理由であるNBAタイトル獲得へ向け好位置につけている。一方、予想通りとはいえ若手中心の再建モードに入ったブレイザーズはリーグ下位に低迷している。この対照的な状況もあり、ブレイザーズのチャウンシー・ビラップスヘッドコーチは、今回の別れは必要なものだったと振り返る。
「今の私たちの状態で、リラードが激しいマークを受ける中でシュートを30本、40本と打って辛くも試合に勝つような姿は見たくないものだ。(昨シーズンは)彼にとってタフな状況だったけど、決して不満を言うことはなかった。一人の戦士として仕事場で常にベストを尽くしていた。彼のそういうところを尊敬している」
明日の凱旋ゲームについて、リラードは「感傷的になると思う。何故なら、僕にとって大切な場所だからね」と特別な思いを持って臨む。会場のファンも、大きな愛と感謝を持ってリラードを迎えるだろう。