ボーヤン・ボグダノビッチ

モンテ・モリスが初出場「昨夜は眠れなかった」

ピストンズは記録的な28連敗をラプターズに勝って止めた後も、1勝10敗と負け続けている。相変わらずケガ人は多く、エースのケイド・カニングハムは膝の故障でここ2週間は欠場が続いている。現地1月24日のホーネッツ戦、回復しつつあるカニングハムは試合前のシューティングに参加したものの、コンディションが十分ではないとして欠場が決まった。今のピストンズはエースに無理をさせる必要のないチームになっている。

それでも、モンテ・モリスが太ももの筋肉の故障による長い戦線離脱を経て、プレータイムの制限付きながら今シーズン初めて出場できるようになった。一昨シーズンまでナゲッツでジャマール・マレーに次ぐ2番手のポイントガードを務めたモリスは、昨シーズンにウィザーズで10.3得点、5.3アシストを記録。カニングハム不在のチームにとって、若いキリアン・ヘイズとマーカス・サッサーをサポートできる貴重な控えガードとなる。

ホーネッツも10勝32敗と勝てていないチームで、前日にテリー・ロジアーのトレードが決まってチーム2番目の得点源を失った。その両チームの対戦は互いに決め手を欠き、ホーネッツはラメロ・ボールを起点とするピック&ロールで攻め、ピストンズはチームでボールをシェアする攻めでチャンスを作るものの、互いに決めきれない展開が続く。

89-92とピストンズ3点ビハインドで迎えた第4クォーターもそれは変わらず、むしろ負けたくない選手たちがディフェンスの強度を上げたことで、さらにスコアは動かなくなった。残り2分半の時点で両チームの第4クォーターの得点は11-12と、守備が強調される展開に。それでもピストンズはここからアレック・バークス、ボーヤン・ボグダノビッチが2ポゼッション連続で3ポイントシュートを決め、さらにボグダノビッチのシュートが外れたところをジェイレン・デューレンがダンクでねじ込んで勝利を引き寄せた。結果、113-106でピストンズが今シーズン5勝目を挙げている。

ボグダノビッチは「ホームで勝つのは気分が良いものだ」と笑顔で語り、満員にはほど遠くてもチームを応援し続けるファンに勝利をプレゼントできたのを喜んだ。「終盤はみんなの意識がディフェンスに向いていた。シーズンを通してクラッチタイムの苦戦が目立っていたから何とかしなければいけないと考えていた。最後の3分間にチームで良い働きができたと思う」

ボグダノビッチは3ポイントシュート5本成功を含む34得点を挙げた自分のプレーを誇ろうとはしなかったが、ピストンズを率いるモンティ・ウィリアムズが彼に代わってその働きを称えた。「彼がピック&ロールから決めた3ポイントシュートは、タイムアウトで彼が『これをやりたい』と言ったプレーなんだ。私は『ではそれで行こう』と言っただけ。それで彼はきっちりとプレーを遂行し、シュートを決めた。ゲームの流れを読み、コーチとコミュニケーションを取り、プレーを決める。強いチームには必ず備わっているその姿勢は、若い選手たちに見習ってほしい」

今シーズン初出場、そしてピストンズでのデビューとなったモンテ・モリスは11分とプレータイムは短かったが7得点3リバウンド3アシストを記録。ピック&ロールからズレを作り出し、オフェンスを動かすことで10-0のランを演出した。長期離脱明けでチームメートの連携もこれから高まると考えれば、先々に大きな期待を感じさせる活躍だった。

「昨夜は眠れなかった」とモリスは言う。「だけど、まだケガでジャンプできない時にもシュートは打っていた。打ち続けてきたことを信じようと思った。良い感覚でプレーできたし、疲れは全然感じない。最後に試合をしたのは去年の3月で、そこからプレーシーズンのケガの再発も含めて厳しい旅をしてきた。だから今日バスケができて本当に良かったよ」