「まずは1つでも多く勝つことを目指します」
2月8日よりハンガリーで開催される『FIBA女子オリンピック世界最終予選(以下OQT)』で、パリ五輪の出場権を目指す女子日本代表。1月11日にナショナルトレーニングセンターで行われたメディアデーで、チーム随一の代表経験を持つセンター・髙田真希が取材に応じた。
FIBAランキング9位の日本は、OQTでスペイン(同4位)、カナダ(5位)、ハンガリー(19位)と対戦。上位3チームに入ってパリの出場権を得るというミッションについて、髙田は次のように話す。
「スペイン、カナダは世界ランクが日本より上位ですし、実力ももちろんあります。ハンガリーは開催国で勢いやホームアドバンテージが必ずあるので、どの試合も厳しい戦いにはなるのかなと感じています。とはいえ、絶対勝てないっていうチームはないので、一つひとつ、初戦から自分たちのパフォーマンスを出し切りたいです」
「4チーム中上位3チームが五輪」。文字だけ見ると安易な条件にも感じられるが、髙田が言うように簡単なことではない。髙田は「(星が並んだら)1勝しても五輪に行けない可能性もあるので、まずは1つでも多く勝つことを目指します」と今回のOQTのマイルストーンを説明し、「1戦1戦を全力で戦い抜くため、自分たちが全力を出し切るために、練習で精度を高めていくことにフォーカスしています」と続けた。
OQTで目指すものはただ一つ「切符を勝ち取るのみです」
また髙田は、一戦必勝の短期決戦となるOQTの戦い方について以下のように話した。
「アジャスト(順応)が重要になると思います。どの大会も一緒ですけど、今回のOQTは特に対戦経験が少ない相手との戦いになるので。相手がどういうシステムを使ってくるかというところは合宿でアジャストしていますが、さらに対戦中にも相手の特徴をつかんで、自分たち選手が試合の中でアジャストしていけるか。試合終わった後に振り返っても遅い。試合の中で相手の特徴をつかんで、その特徴を消した上で自分たちの良さを出していくことが重要になってくると思います」
チームを率いる恩塚亨ヘッドコーチは、対戦国が決まった昨年10月から200時間以上にわたるスカウティングを行い、それを今回の直前合宿に落とし込んでいると話している。これを最大限に生かして準備を行った後、各試合のなるべく早いタイミングで、選手たちが肌感覚をもとに準備してきたものを微調整。そして、これを言葉かけや共通認識を用いて『チーム』として展開していくことが、髙田の理想とするOQTの戦い方となるのだろう。
「五輪の切符を取ることは最低限のミッション。さらに求めたいものはありますか?」と記者に問われると、髙田は「いや、切符を勝ち取るのみです」ときっぱり言い切った。史上初の銀メダルの歓喜に湧いた東京五輪のさらに先を目指すために、髙田、そして女子日本代表は目の前のミッションに全集中している。