ヤニス・アデトクンボ

「ハードにプレーできなければベンチで座ってろ」

バックスは25勝11敗で東カンファレンスの2位につけている。それだけを見れば順調にシーズンを過ごしているように見えるが、そうではない。直近の7試合で3勝4敗と負け越しており、現地1月6日のロケッツ戦では今シーズン最少の108得点で敗れた。

3ポイントシュート成功率が26.5%しかなく、フリースローは42本中成功29本と外しすぎた。それでもヤニス・アデトクンボは「僕らはディフェンスに問題を抱えている。オフェンスは上手くいく日もあれば、そうじゃない日もあるけど、ディフェンスはそうじゃない。ディフェンスでプライドを持てないような試合はあってはならない」と語る。

「みんなボールをプッシュし、ドライブしてペイントに入り、3ポイントシュートを打ってオフェンスリバウンドを取りにいった。でもディフェンスは? 後半は良くなった。でも前半のディフェンスは僕たちらしくなかった。毎試合で130得点、140得点を奪うオフェンスに期待してはいけない。それじゃ勝てないよ」

「プライド、プライド、プライド。すべてはプライドの問題なんだ。ハードにプレーする気概のある選手はそうしてほしい。ハードにプレーできなければベンチで座ってろ。それぞれ自分で決めることだ。僕だって同じで、一生懸命やらなきゃベンチだよ。疲れもあるから毎試合全力でとはいかないかもしれないけど、コートに入れば絶対に相手を止めるというメンタリティが必要なんだ」

アデトクンボは怒っていたが、それはチームへの不満ではない。チーム全体に警告を発した上で、自分が真っ先に変わる姿を見せようとしている。「僕も含めた全員がもっと努力しなければいけない。このチームにおいて、そういう状況で先頭に立つべきは自分だ。いつだってそうなんだ。僕はどうやったらディフェンスが機能するか考え、これまで以上にハードにプレーする」

チームに喝を入れるとともに、若手へのフォローも忘れない。「アンドレ・ジャクソンJr.はチームの最高の選手じゃないかもしれないけど、チームのためにすべてを捧げることのできる選手だ。マージョン・ボウチャンプも常に全力でプレーする。それがファウルやターンオーバーになることもあるけど、彼の前向きなガッツからは『チームのために』という気持ちが感じられる」

ジャクソンJr.は2巡目指名のルーキーで、ボウチャンプは2年目の選手。上手くやろうとするのではなく、コート上ですべてを出し切る姿勢をアデトクンボは称え、彼自身もそれを取り戻そうとしているようだ。この試合でもジャクソンJr.のガッツ溢れるプレーは目立ち、第3クォーターの立て直しに大きく寄与している。

改善すべき点として、、アデトクンボはピック&ロールの対応を挙げた。「僕らはスクリーンでやられている。ボビー(ポーティス)とブルック(ロペス)がいるからって、僕は簡単にスクリーンで止められて、相手をリングに向かわせていいのか。それで優勝できるのか。そうじゃないよね。もっと上手く守らなきゃいけない。お互いをより信頼し、もっと統率の取れた動きをしなきゃいけない」

「これは世界の終わりじゃない。むしろ、僕らがあるべき方向に進むためのスタートなんだ。これはミルウォーキー・バックスじゃない。このままでは到達すべきところに行けない。だからすべてを改善しなければ」とアデトクンボは言う。「用具係がユニフォームをもっとよく洗うところからスタートして、ベンチはもっと良いプレーをし、リーダーはもっと声を出す。みんなシュートをもっと決め、ディフェンスを改善させる」

そしてアデトクンボはこう締めた。「まだ時間は4カ月ある」