「本当に優れた2ウェイ選手」とクリフォードHC、攻守の両方で貢献できる存在と信頼
今シーズンのルーキーたちを見ると、スパーズのビクター・ウェンバニャマは大方の予想通りその類稀な能力の片鱗を見せてファンを魅了し、大きな注目を集めている。そして、ここまで良い意味で大方の予想を裏切る奮闘ぶりを見せているのが、ホーネッツのブランドン・ミラーだ。
ドラフトではウェンバニャマの次となる全体2位で指名されたミラーだが、当時は「ホーネッツはミラーではなく、3位でトレイルブレイザーズに指名されたスクート・ヘンダーソンを獲得すべきだった」という声が多かった。だがシーズン序盤戦を終えた今、そういった声はほとんどなくなった。ここまでミラーは平均14.4得点、4.1リバウンド、3ポイントシュート成功率38.0%を記録。一方のヘンダーソンは、9.2得点、4.2アシスト、3ポイントシュート成功率22.0%など不安定なプレーが目立っている。
現在、ホーネッツはエースのラメロ・ボールが11月末の試合で足首を捻って戦線離脱しており、ミラーには中心選手としてより大きな期待を寄せられている。ホーネッツのスティーブ・クリフォードヘッドコーチは、次のようにミラーを評価している。
「ミラーは本当に優れた2ウェイ選手だ。大学時代の彼の映像を見て大ファンになった。そして彼がチームに来て一緒に過ごしていくと、当初思っていたよりもかなり良い選手だったよ」
非凡な身体能力やスキルと共に、クリフォードHCはミラーの強靭なメンタリティーも称える。現地11月12日のニックス戦、ミラーは試合途中に足首を痛めてわずか10分の出場に終わったが、ベンチに下がった後に一旦コートに戻り、闘志を見せていた。
足首を痛めたミラーがなぜコートに戻ったかについて、クリーフォードHCはこう説明する。「家族が観戦に来ていたニューヨークでの試合で、彼は前半に足首をひねった。家族は『このまま試合に出ないほうがいいかもしれない』と言っていた。でも彼は『(テーピングを)巻いてくれ』といってプレーした。今の多くの若い選手たちは、もうこのようなプレーをしないよ」
さらに指揮官は、「彼は試合に対してオールドスクールのような考えを持っている」「もう1つとても重要なことは、彼が学習能力に優れているところだ」とコメントし、ミラーのさらなる進化に太鼓判を押している。
現在6勝12敗と苦戦しているホーネッツが、ここから巻き返すためにはボールの復活と共にミラーの活躍も欠かせない。