須藤昂矢

自分たちの戦い方を確立するため「とにかく修正を積み重ねていくイメージです」

横浜ビー・コルセアーズは10月21日、22日とホームで琉球ゴールデンキングスと対戦した。横浜BCにとって琉球は昨シーズンの天皇杯、チャンピオンシップでともに敗れた因縁の相手だ。初戦は序盤からチームの根幹である連携の取れた激しいチームディフェンスで流れをつかみ89-66で快勝したが、逆に2戦目は前日の課題を修正した王者の総合力に屈し70-88とやり返されてしまった。

ここまで横浜BCは開幕から3勝3敗。そして勝った試合の失点は67、75、66に対し、負けた試合では100、81、88と、あらためて横浜BCが守備のチームであることを示している。

フィジカルの強さを生かしたディフェンスで、横浜BCの堅守に欠かせない1人である須藤昂矢は、現状について次のように見ている。「去年ある程度のところまで到達できたのは、前半に負けていても最終的には接戦に持ち込んで勝ち切るところまで、全員がやるべきことの共通意識を持てていたのが大きかったです。今年はまだ、そこまで行けていけないです。こういう試合をしっかりモノにするチームにならないと、目標のタイトル獲得はかなり遠くなってしまいます。チーム全体で、そこをもっと意識してやっていきたいです」

昨シーズンの好成績に加え、今やBリーグ随一の支配力を持った河村勇輝を有する横浜BCへの期待は右肩上がりとなっている。「期待はすごく大きいなと実感しています」と須藤は状況の変化をポシティブに受け止めているが、同時に冷静に足元を見つめている。

「去年も1試合1試合、改善していきながら徐々に自分たちの勝ちパターンを見つけていって、最終的にあのような形になりました。楽に勝てる試合は一つもないですし、どういう試合の持っていき方が、自分たちの戦い方なのかをできるだけ早く見つける。そのためにとにかく修正を積み重ねていくイメージです」

須藤昂矢

「セカンドユニットに入って、攻めなきゃいけない立場だという自覚はあります」

須藤個人でいうと、琉球戦から起用法が先発からベンチスタートへと変わった。これは彼の調子が落ちたからではなく、むしろ首脳陣の信頼感の高さを示す変更だ。横浜BCは持ち味の3ポイントシュートで貴重な飛び道具となっていた大庭岳輝が、琉球戦の前の練習で右膝前十字靭帯を損傷する重傷を負った。須藤のベンチスタートは、大庭の戦線離脱によるセカンドユニットの得点力不足をカバーする意味合いが大きい。

そして今回の2試合、須藤は積極的にシュートを狙いに行き、特に初戦では12得点と勝利に大きく貢献した。「もちろん岳輝がケガをしてしまった分、自分がやってやろうっていう気持ちはありました。セカンドユニットに入ってメンバー的にも、僕が攻めなきゃいけない立場だという自覚はあり、積極的に攻める意識はありました。シュートタッチもこの2日間悪くなくて、良い流れで打てていました。それも周りのメンバーがシュートチャンスを作ってくれたおかげで感謝をしています。これからも積極的に攻めていきたい気持ちです」

また、今回の起用法の変化に関係なく、今シーズンの須藤はこれまで以上にリーダーシップを重視している。そこには以下の理由がある。「森川(正明)選手が移籍した中で、自分がもっとやらなければいけない意識はあります。それが積極性にも繋がっていると思いますし、今年でチーム4年目になるので、リーダーシップを取っていく立場になった自覚もあります」

今オフ、長崎ヴェルカに移籍した森川は過去3シーズンに渡り、リーダーとしてチームをコート内外で支えていた。森川の存在の大きさについては、開幕前に河村が「リーダーシップを発揮して、コミュニケーションの部分だけでなくプレーでも引っ張ってくれていた森川さんの穴は大きいと思っています。チーム最年少ですが、森川さんの担っていた部分を自分が責任を持ってやっていければと思います」と語っていたほどだ。

昨シーズンは途中から持ち味の3ポイントシュートを武器にセカンドユニットの要として横浜BCの戦いに厚みを与えていた須藤だが、現在は森川の役割を受け継ぎチームを支える強い思いを持っている。「(森川の役割を受け継ぐ)そういう意識を持っています。それプラス、ディフェンスでもしっかりチームに貢献することを目標としています。 オフェンスでもディフェンスでもしっかりチームを引っ張っていけるような存在に、今シーズンはならないといけないです」

横浜BCの絶対的なエースである河村は、開幕から6試合で平均26.3得点、5.5アシストと見事なパフォーマンスを続けている。だが、横浜BCが勝ち星を増やしていくには、チーム力を高め河村の負担を軽減させる必要がある。そのためには須藤のステップアップが大きな鍵となり、彼はその期待に応える能力を有している。