チーム活動に参加せず、チームメート批判も
カイ・ジョーンズを巡る騒動は、ホーネッツが彼を解雇する形で決着した。
バハマ出身のパワーフォワードのジョーンズは、2021年のNBAドラフト1巡目19位でニックスに指名され、すぐにホーネッツへとトレードされた。恵まれた身体能力を持っているが、ホーネッツのローテーションに食い込むことができず、1年目はほとんど出番なし。2年目の昨シーズンも46試合、平均12分出場と十分なプレータイムを得られずにいた。昨シーズンは3.4得点、2.7リバウンドを記録している。
この1カ月間、ジョーンズはSNSでマイケル・ジョーダンやレブロン・ジェームズに1対1で勝てると繰り返し、「僕は史上最高の選手」と豪語していた。ライブ配信中に支離滅裂な言動をするなど精神的にも不安定だった様子。これに辟易したチームメートにフォローを解除されると、チームメート批判まで行っていた。
トレーニングキャンプ開始を前に、ヘッドコーチのスティーブ・クリフォードはジョーンズについてのコメントを拒否。「SNSの投稿は知っていて、すでにフロントが対応している」と話し、彼がトレーニングキャンプに参加しないことを発表した。
ジョーンズはホーネッツの選手が集まるワークアウトに参加せず、トレーニングキャンプが始まっても姿を見せなかった。そして現地10月9日にSNSを通じてトレードを要求した。
大きな潜在能力を秘めた若手ではあっても、この2シーズンでほとんど活躍しておらず、チームの和を乱す行動が止まらない。そんな選手をトレードで引き受けるチームはいない。ロスターに残しておく意味もない。トレード要求から2日後、ホーネッツは彼を解雇することを決めた。
ジョーンズは愚行を繰り返してNBAプレーヤーという立場を失った。最後にプレーしたのは今夏のサマーリーグで、そこで期待された『3年目の飛躍』の可能性は消滅した。彼自身の言動が引き起こした事態ではあるが、彼が何らかのサポートを必要としているのは間違いない。