ジョシュ・ホーキンソン

19得点に加え6️ブロックと奮闘も、リバウンドを支配されて黒星スタート

サンロッカーズ渋谷は開幕戦で名古屋ダイヤモンドドルフィンズとアウェーで対戦した。今オフ、アルバルク東京で2度のリーグ優勝を達成した名将ルカ・パヴィチェヴィッチを招聘し、A東京の中心選手だった田中大貴に加え、今夏のワールドカップでの活躍が記憶に新しいジョシュ・ホーキンソンを獲得と大型補強に成功したことで大きな注目を集めたSR渋谷だが、70-79と黒星スタートとなった。

試合の出だしからSR渋谷はルカのチームらしい巧みなパス回しによって、コーナーでオープンの3ポイントシュートの機会を作り出し、確率良く決めていった。だが、逆にコーナースリー以外の攻め手に欠けると、コンディション調整で今節欠場となったビッグマン、ジェームズ・マイケル・マカドゥの穴も大きく響き、ゴール下のリバウンド争いを支配される。相手にセカンドチャンスポイントを決められたり、ディフェンスリバウンドからの素早い攻守の切り替えで攻められてしまう場面が増えていった結果、第1クォーター残り5分過ぎ以降は常にリードを許すなど、相手に主導権を握られ続けての敗戦だった。

SR渋谷でのBリーグデビュー戦となったホーキンソンは、32分16秒の出場で19得点とオフェンスを牽引。守備では4リバウンドに留まったが、6ブロックとゴール下の守護神として存在感を見せた。ホーキンソンはこのように試合を振り返る。

「オフェンスリバウンドを支配されたのが一番の敗因となりました。明日はリバウンドをしっかり取り切らないといけないです。ビッグマンだけでなく、全員でリバウンドを取る意識で臨む。リバウンドが取れれば、トランジションなど僕たちのやりたいオフェンスに繋がります。そこを徹底的に修正したいと思います」

ホーキンソンが言うように、マカドゥ不在が大きかったとはいえ、オフェンスリバウンドで6-21、リバウンド総数で27-51と大きく水をあけられた。セカンドチャンスポイントでも6-26と圧倒的な大差をつけられたことが敗因となった。

ジョシュ・ホーキンソン

名古屋Dの新戦力、フランクスは大学の同僚「日本に来ることをずっと勧めていました」

当然のように敗戦について苦い表情を見せたホーキンソンだが、一方で5,546名が詰め掛けた会場の盛り上がりには「まず今日の試合、コートに入った時にすごくファンの人たちが多くて素晴らしいと感じました。ワールドカップもあって、日本バスケ界が盛り上がってきていると思います」と感銘を受けた。

この多くの観客の中でもホーキンソンは一際注目を集めた選手だった。試合前の選手紹介時には、アウェーチームでありながらホーキンソンの名前が呼ばれると大きな拍手が発生した。ワールドカップの活躍後、多くのテレビ番組の出演などによって知名度は急上昇し、一躍Bリーグの顔の1人と呼べるスター選手となった。

この人気ぶりについて聞くと、ホーキンソンは次のように謙遜する。「(今日の自身に対する歓声は)FE名古屋で3年プレーしていたことが加味されていたのかもしれないです。自分の人気が全国区なのかは、(自身にとって馴染みのない)地方に行った時のお客さんの反応で真価が問われると思います(笑)。ただ、何よりも日本代表として多くの皆さんに応援してもらい、こうして今も会場で『タカちゃん』と呼んでくれたり、すごく気にかけてくれるのは本当にありがたいことです」

また、彼にとってファンの歓声と共にうれしい出来事があった。それはワシントン州立大時代のチームメートである名古屋Dの新加入選手ロバート・フランクスとの対決だ。ホーキンソンはこう語る。「僕たちはずっと仲の良い友達です。大学では(ホーキンソンが2学年上で)一緒に2年間プレーしました。プロになってからも昨年の夏など、オフシーズンではよく一緒にトレーニングをしています。彼には日本に来ることをずっと勧めていました。今回、彼の日本での最初の試合で対戦できたことはうれしいです」

ワールドカップ効果もあり、各地で順調な観客動員を記録しているが、それを一過性のものとせず、スタンダードとして定着させることができるのか。今シーズンのBリーグは、この一世一代のチャンスをモノにできるのか、今後の発展にも大きな影響を与える正念場を迎えている。その中でホーキンソンはエナジー満点のプレーを継続。彼がファンの心を動かす選手であることをあらためて証明した開幕戦となった。