ケガに苦しんだ昨シーズンの雪辱を結束の力で晴らす
昨シーズンは40勝20敗という勝率で、中地区の首位を独走した川崎ブレイブサンダース。しかしチャンピオンシップでは外国籍選手全員が離脱という苦しいチーム事情も重なり、横浜ビー・コルセアーズにアップセットされてしまった。個々の能力やチーム力には問題がないと判断し、今オフは8選手と継続契約を結び、外国籍選手を含め4名の新しい戦力を加えた。
川崎の特徴と言えば、リーグ3位の試投割合とリーグ4位の決定率が示すように、リーグ有数の3ポイントシュートチームである。それを象徴するかのように、トップと両ウィング、左コーナーからの3ポイントシュートを高確率に決めることができる野崎零也をファイティングイーグルス名古屋から、左コーナーから43.5%、右コーナーから51.7%と驚異的な決定率を誇る飯田遼を香川ファイブアローズから獲得。スラッシャーでありながらアウトサイドのシュート率が高いロスコ・アレンとトーマス・ウィンブッシュを獲得したことで、リーグ随一の引力を持つ藤井祐眞とニック・ファジーカスのピック&ロール後の選択肢が増え、オフボールのスイッチディフェンスもやりやすくなった。
ロスターが昨シーズンと同等に活躍したと仮定すると、3ポイントシュート試投割合が40%まで上昇し、決定率も36.5%となるため、アウトサイドが強いロスターを起用し、3ポイントシュートで終わるオフェンスを構築することが予想される。また、ファジーカスとジョーダン・ヒースのいずれかを出場させ続けなければならない状況を、選手起用でどう乗り切るのかにも注目したい。
所属選手一覧
『FP(ファンタジーポイント)最多日本人選手』
※FP(ファンタジーポイント)は、選手の活躍度合を計る指標となるポイント。各選手が実際の試合で記録した成績に応じて算出される。
藤井祐眞
昨シーズンは、トップと両コーナー3か所における3ポイントシュート決定率が40%超でありながら、ペイントエリア決定率も70%超え、アシストも平均5本を記録。プライマリーボールハンドラーとしてチームを牽引する存在だ。私が個人的に収集しているPER(出場1分当たりのプレー効率性指標)ランキングでも日本人選手第4位(2021-2022シーズンは第1位)。相手ポイントガードに食らいつくディフェンスでもゲームの流れを変える力を持った選手だ。
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【注目選手】
長谷川技
昨シーズンは55試合にスターター出場したベテラン選手。持ち味はディフェンスやスクリーンプレーとまさにいぶし銀。ビッグマンにスクリーンをしかけるセットは、必ずと言っていいほど長谷川のスクリーンが決め手になっている。オフェンスの能力が低いのかというと決してそうではなく、コーナーからの3ポイントシュートは50%を超え、平均決定率も40%をマークしている。長谷川が3ポイントシュートを決めた瞬間、ベンチは大盛りあがり。チームメイトに愛される選手である。
トーマス・ウィンブッシュ
昨シーズンはイタリア・セリエAとロシアVTBユナイテッドリーグで合わせて35試合に出場し、VTBスーパーカップではMVPを受賞。Bリーグではフォワード登録だが、基本的にはガードタイプの選手だ。昨シーズンはいずれのリーグでもシックスマンとしての出場が多かったが、2ポイントシュートは53%、3ポイントシュートは35%と高確率。出場した試合ではチームポゼッションのうち25%がウィンブッシュの攻撃で終わっており、スコアラーとして頼られる存在であったことがわかる。スラッシャーでありながらコーナーやトップでのキャッチアップ3ポイントも巧い、アレンと似たタイプの選手である。