失点につながるミス「良い状況判断ができていれば」
1月16日、レバンガ北海道はサンロッカーズ渋谷との接戦を落とし、これで今年に入って3連敗となった。3ポイントシュートを23本中13本成功という高確率(52.2%)で決めるも、ターンオーバーからの失点が15、速攻からの失点が29と、ミスから得点を奪われたことが敗因となった。
先発ガードを務める松島良豪は、「自分たちが良いディフェンスをした後だったり、大事な時間帯でターンオーバーが多かったので、そこが本当にもったいなかった」と試合を振り返る。内海知秀ヘッドコーチも「大事なところでのターンオーバーが直接点数に繋がっている」と同様の見解で、「これがずっと数試合続いている。これはなんとか打開していかないといけない」と、負け試合へとつながるターンオーバーに警鐘を鳴らした。
どんなチームでもターンオーバーを0に抑えるのは難しい。一つのタイミングのズレで、ナイスアシストのはずがターンオーバーに変わることも多々ある。絶妙なタイミングでのパスを放棄して安全策を取ればターンオーバーは避けられるが、それでは違いを生み出すことができない。松島は「良い状況判断ができていれば」と、自身のパフォーマンスを悔いた。
「僕の判断ミスです。トランジションで広瀬(健太)選手にカットされた時、バイオン(ミュレンズ)選手が空いていたんです。大きいので、もうちょっと浮かしたパスを出したり、左に折茂(武彦)選手が空いていたのを見きれなかったので、そこは反省です。今日のミスに関しては、良い状況ができていれば僕自身のターンオーバーは0で行けたんじゃないかなと思います」
「どういうパターンで何をしてたか」を追求し勝ち癖を
シーズン途中に指揮官の交代があるなど、北海道は現在8勝24敗と苦戦が続いている。それでも指揮官交代があってからアルバルク東京や富山グラウジーズといった強豪に勝利するなど、徐々に上向きつつある。松島もそれを実感している。
「オフェンスに関してもディフェンスに関しても変わりました。オフェンスは、トップのボールスクリーンというより、みんなでボールをシェアしながらズレたところで攻めようと、そこが一番変わりました。そこがやっと慣れてきて、みんなの合わせが良くなってきました」
それでもまだ、内海ヘッドコーチになってからの成績は4勝8敗と負け越しているのが現状で、上位を破るポテンシャルを持つものの、安定した結果を残せていない。
その責任をポイントガードとして松島は強く感じている。「大事な試合で勝ち切れないというのが今は多いので、勝ち癖をもう少しつけていかないと。内海さんに交代してから、アルバルクさんにも勝てましたし、勝つには勝ってます。僕らが勝つ時はどういうパターンで、みんなが何をしてたかというのを、練習中から突き詰めていかないといけないです」
好パフォーマンスも勝ち星が増えず「歯がゆい」
今シーズンの松島は先発起用されることが増え、それに伴い過去最長のプレータイムを獲得し、スタッツは軒並み向上している。キャリアハイのシーズンを送っているのだが、自分のスタッツとは裏腹に、チームが勝てないことに「ものすごく歯がゆいです」と悔やむ。
「スタッツが伸びているのは良いことなんですけど、勝たせきれないというのは、ポイントガードにしてみればすごい悔しいです。そこは自分自身がもう少しステップアップしていかないといけないです」
そして、松島はレジェンドの折茂から言われた言葉を引用し、チームを勝たせることが最も重要と説いた。「スタッツが良くなくても、勝たせられれば良いポイントガードだと思うんですよね。折茂さんにも『スタッツが悪くても、お前がコートに立っててチームを勝たすことができれば、お前は素晴らしいポイントガードだ』って言われているので」
選手を評価する上でスタッツは大きな指標となり、選手も数字を意識することで自身の価値を高める。だが折茂の言葉のように、勝敗を分ける場面でコートに立っていることが最も重要なことなのかもしれない。チームを勝たせるガードとなるべく、松島はこれからも前進を続ける。
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