ビクター・ウェンバニャマ

オリンピック出場も宣言「金メダル以外の目標はない」

今年のNBAドラフト全体1位指名を受けてスパーズに加入したビクター・ウェンバニャマは、間もなく始まるトレーニングキャンプで正式にNBAのシーズンをスタートさせる。サマーリーグでプレーした後、ワールドカップの狂騒から離れていた彼が、フランスの『L’equipe』の取材に応じた。

「この1年はクレイジーだった。いろんな出来事が続いて、悪いことは何も起きていないんだけど、人生で初めて精神的に疲れたと感じた。サマーリーグの後は自分らしさを保つために休むことにした。取材を受けるのは3カ月ぶりで、僕にとっては良い休養だった」とウェンバニャマは言う。

スパーズでの挑戦が始まることに大きな期待を抱くとともに、それが難しいことも理解している。「理想的なスタートはプレーオフ進出で、その先に何が起きるかは分からないけど、まずはそれが目標だ。ポジティブなサプライズが起こせると良いね。NBAで優勝するのが難しいのは分かっているけど、僕は忍耐強いし、いずれ必ず実現できると信じている。最初の何年か勝てなかったとしても、殿堂入りしたり、キャリアで5回優勝するのが無理だとは思わない」

昨シーズンのスパーズは、ウェンバニャマを指名するためにボトム3に入る必要があったとは言え、22勝60敗と大きく負け越したチーム。各ポジションにポテンシャルのある若手は揃っているが、ウェンバニャマが加わってすぐさま勝てるチームになるとは限らない。それでも彼は、自分がそれを変えるという強い気持ちでシーズンに挑む。

それはフランス代表についても同じだ。今夏のワールドカップを彼は欠場し、フランス代表は1次リーグ敗退という信じられない不振に終わった。ウェンバニャマはアメリカでの挑戦を始める前に自国メディアの取材で、フランスのバスケファンに力強いメッセージを送っている。

「オリンピックで優勝すれば、それは素晴らしいストーリーになる。金メダル以外の目標はない。もちろん、僕もオリンピックには出るつもりだ。ワールドカップの結果は残念だったけど、心配はしていない。来年のオリンピックで素晴らしい結果を出す機会には影響しないよ」