ニックス

アシスタント・ビデオコーディネーターが機密情報を持ち出す?

ニックスが元スタッフのイケチュク・アゾタム、そしてラプターズとその数名を相手取って裁判を起こした。ニックスが2020年10月にアシスタント・ビデオコーディネーターとして採用して以来、つい先日まで働いていたアゾタムが、機密情報を含んだニックスのデータを持ち出してラプターズへと転職し、ラプターズはそれを指示したとニックスは主張している。

ラプターズの新たなヘッドコーチ、ダーコ・ラジャコビッチも被告の一人だ。ニックスはラジャコビッチを始めとするラプターズの何人かが、アゾタムを採用する際に、まだニックスのスタッフだという立場を利用しようとしたとしている。アゾタムはラプターズへの採用が決まったことを理由にニックスに退職を告げたが、その時期から個人のメールアカウントに様々なデータを送り始め、その数は3358ファイルに及ぶという。

ニックスはこれに気付き、ラプターズとNBAに連絡したそうだが、ラプターズが何の返事も寄こさないので訴訟を起こした。それでも『New York Post』の取材に対し、ラプターズとその運営企業は「ニックスからの苦情を受けて、内部調査を行い、何があったかの解明に全面的に協力すると伝えている」と反論。同時に、本件への関与を強く否定している。

ニックスはラプターズに対し、不正に入手した情報を使用しないこと、アゾタムの不正により利益を得ないこと、の2点を求めた。一方でラプターズは、「この問題が両者にとって満足のいく形で解決するまで、これ以上のコメントは出さない」としている。

同じ東カンファレンス、アトランティックディビジョンのニックスとラプターズは、新シーズンに4度の対戦が組まれている。これまでも長く試合を行ってきたが、今度は少し因縁めいたものになりそうだ。