NBA

決勝以外はレギュラーシーズンの成績に反映 試合増には繋がらない仕様

NBAが11月から開催するカップ戦『インシーズン・トーナメント』の概要を発表した。

まず、イースタン、ウェスタンの両カンファレンスにおいて、昨シーズンの成績を基準にした抽選で、各5チーム所属の3グループ(全30チーム)に分けられる。そして1回戦は総当たりで行われ、各グループの1位とワイルドカードを得た2チームによる計8チームでノックアウト・トーナメントを実施し、初代王者を決める。

優勝チームの選手は1人につき50万ドル(約7,000万円)、準優勝で20万ドル(約3,000万円)、セミファイナル進出チームには10万ドル(約1,500万円)、クォーターファイナル進出チームには5万ドル(約730万円)がそれぞれ賞金として支給される。

この『インシーズン・トーナメント』 の大きな特徴は、ファイナルを除くレギュラーシーズンの一環として行われる点にある。よって、シーズン中の試合は従来と同じ82、ファイナル出場の2チームのみ83となり、選手の負担が増えないように設計されている。なお、グループステージで敗退したチーム同士で、クォーターファイナルとセミファイナルの期間中に2試合、またクォーターファイナルで敗退した4チームもセミファイナル期間中に1試合を行う。

もし、レギュラーシーズンとカップ戦の試合を分けた場合、カップ戦で上位進出が見込めなくなったチームはレギュラーシーズンを優先し 、 消化試合とすることも予想される。しかし、同トーナメントはレギュラーシーズンの一部となっている点と、グループステージが11月の火曜日と金曜日に行われる点、またクォーターファイナルを上位シードのホームで12月4日~5日に行い、セミファイナルを12月7日、 ラスベガス 開催のファイナルを12月9日と、レギュラーシーズン前半に行うことで、各チームが全試合で主力を投入できるような仕組みになっている。

同トーナメントを導入した背景には、何といってもリーグの主な収入源となっているTV放映権の増加がある。また、11月から12月という開催時期は、アメリカ国内においてナンバー1の人気スポーツであるNFLのレギュラーシーズン中。さらにカレッジフットボールのシーズンが佳境に入っている一方、NBAはシーズン序盤でそれほど注目度が高くない。そこで、この時期にカップ戦を行うことでメディアの露出を高め、ファンの関心をより集めたいという狙いもあるだろう。

様々な思惑がある中、実際にどんな反響が起こるのか? この新たなカップ戦の行方に注目したい。