リトアニア代表

サボニスは不参加でもタレントは豊富、組み合わせにも恵まれる

FIBAランキング8位のリトアニアは、ドマンタス・サボニスやヨナス・バランチュナスなどNBAプレーヤーを擁する強豪国ですが、世界大会では勝ち切れない試合が続いています。東京オリンピックは世界最終予選で敗れて出場を逃し、昨年のユーロバスケットではベスト16敗退。間違いなく強豪ではあるものの、ディフェンスが明確な弱点となっており、勝ち切れていません。

今大会はサボニスが不在ですが、強力なインサイドプレーが持ち味のバランチュナスに、ウイングのイグナス・ブラズデイキスやミンダウガス・クズミンスカスが中でも外でも得点を奪えます。若きポイントガードのロカス・ヨクバイティスが自らのアタックからのアシストで、力強いフィニッシャー陣を活用していくオフェンスは鮮やかで、なおかつセカンドチャンスでも強さを発揮します。

サイズもあればフィジカルの強さもあり、さらに3ポイントシュートの上手さもあるため、リトアニアのオフェンスを止めるのは簡単ではありません。その一方でオフェンシブな選手を好むからか、チーム全体のディフェンス意識に課題があり、特にスピードへの対処が悪く、ハードワークする気持ちはあるものの、間に合わないことが多いためインサイドでのファウルが多くなりがちです。

チームのメンタリティとして、負けている状況では粘り強く奮闘して追い上げることはあるものの、勝っている状況では気を抜いてしまうのか、相手をノックアウトする気持ちが薄く、やや軽いプレーになりがちです。これらは表裏一体の善し悪しですが、優勢に立った試合をきっちりとクローズさせるためにも、22歳のヨクバイティスがゲームをコントロールできるかがキーポイントになりそうです。

今大会は1次リーグの組み合わせに恵まれ、2次リーグはアメリカと同じグループになりますが、その他はFIBAランクでは格下のチームと当たります。順当に行けば決勝トーナメントに進出できそうですが、このような状況でアップセットを食らいやすいチームだけに油断は禁物です。ディフェンスを安定させ、格下のチームに楽に勝ち切り、良い流れに乗って決勝トーナメントを迎えられるかどうかが、上位進出には重要です。