「代表チームでは素晴らしい経験ができるし、次の飛躍に繋がる」
アメリカ代表を率いてワールドカップを戦うスティーブ・カーが『NBA TODAY』に出演した。アメリカ代表は東京オリンピックで金メダルを獲得したが、ワールドカップでは2019年の前回大会で早期敗退の屈辱を味わっている。オリンピックよりもスター選手が集まりにくいことでワールドカップでは、限られた条件の中でチームバスケを機能させるコーチの手腕がより重要になる。
「NBAのトップ4ないしはトップ5のうち3人は外国人で、世界がアメリカに追い付き、競争は今までよりもずっと厳しいものになっている。我々は東京オリンピックで金メダルを獲得したが、NBAのベストプレーヤーを擁していても簡単ではなかった。『チームUSAであればすべてを勝ち取らなければならない』という見方はもう捨てるべきだ」とカーは言う。
「大事なのはFIBAの大会をリスペクトし、FIBAのルールを学んですぐに適応し、選手たちが協力してプレーすること。アメリカ代表は急造チームだが、対戦国は毎年同じメンバーでプレーし、継続的にチームを作り上げてくるからだ」
そういう意味で、カーは今回の代表チーム始動にあたり、12名のメンバーを先んじて決定した。チーム内での競争よりもチームの成熟を優先した形だ。「チームに残れるかどうかを心配するよりも、自分のやるべきことに集中し、チームの絆を深めたかった」と彼は言う。
ただ、この12名のメンバーには、レブロン・ジェームズやステフィン・カリーのような『NBAの伝説』を含めNBAオールスターのスターターは含まれていない。ベテランはすべて代表参加を辞退した形だ。ウォリアーズでカーと強力な信頼関係を築いているカリーも、かつては東京オリンピックでプレーしたいとの強い意志を語っていたが、結局はチームUSAに参加しない。
これについてカーは、「FIBAがワールドカップをオリンピックの前年に変更したことが大きい」と語る。
「以前は2年おきの開催だったので、両方の大会でプレーすると約束する選手もいた。だが今は違う。多くのスター選手は2年連続で夏の国際大会でプレーすることを望まない。これはアメリカに限らず、今回のワールドカップに参加するいくつかのチームも主力を欠いている。それでも我々には素晴らしいタレントが揃っているわけで、このメンバーを率いて戦うことに私はこれ以上ないほど興奮しているよ」
「それに私はサンズのGMだった頃から、ウォリアーズのコーチである今まで、NBAの若い選手たちがアメリカ代表でプレーすべきだと思っている。代表チームでは素晴らしい経験ができるし、次の飛躍に繋がるからだ。今回のロスターに入っている選手たちは、みんな自分のチームでは主力で、何人かはオールスターだが、ほぼ全員が非常に若く、選手として伸び盛りの時期だ。何人かは今回の経験からステップアップし、近いうちにNBAのベストプレーヤーの仲間入りをするはずだ」
アメリカ代表の参加選手は以下の12名となっている。
ジェイレン・ブランソン
タイリース・ハリバートン
ミケル・ブリッジス
オースティン・リーブス
ジョシュ・ハート
ブランドン・イングラム
アンソニー・エドワーズ
ボビー・ポーティス
ジャレン・ジャクソンJr.
キャム・ジョンソン
パオロ・バンケロ
ウォーカー・ケスラー