移籍したブルース・ブラウンの穴埋めとして大きな期待を寄せられる
昨シーズンのNBA王者であるナゲッツはニコラ・ヨキッチ、ジャマール・マレー、マイケル・ポーターJr.、アーロン・ゴードンのコアメンバーが健在。連覇に向け最大の課題はフリーエージェントで移籍したブルース・ブラウンの穴をいかに埋められるかだ。
上記の4人と高額年俸を結んでいるため、サラリーキャップの制約もあり、即戦力選手を補強することはできなかった。そこで大きな期待を寄せられているのが2年目のクリスチャン・ブラウンのステップアップだ。
22歳のブラウンはカンザス大でNCAAトーナメント優勝に貢献した後、昨シーズンのドラフト1巡目全体21位指名でナゲッツに加入。シーズン前半戦はプレータイムも安定していなかったが、後半になるとボーンズ・ハイライドが出場機会を求めてのトレード志願からクリッパーズへ移籍した影響もあり、徐々に出場機会を増やしていった。プレータイム増加とともにチームにフィットしていくと、ヒートとのNBAファイナル第3戦で15得点4リバウンドの活躍で勝利に大きく貢献するなど、確かな成長の跡を見せた。
ルーキーイヤーのブラウンは76試合に出場し、平均15.5分のプレータイムで4.7得点、2.4リバウンドを記録。2年目はより大きな役割を与えられ、スタッツの上昇も期待されている。そして、本人もその心構えは十分にできている。地元紙『デンバー・ポスト』の取材に「僕はチャレンジの機会、より大きな役割を欲している」と語った。「実際にナゲッツは僕や若い選手たちを信頼してくれている。(去った主力選手の)役割を引き継ぎ、次のステップに進んでいくことは僕にとって大きな意味を持っている。そして、チームの信頼が正しかったことを証明するつもりだよ」
そして新シーズンにおいて、ブラウンはブルースの代わりに自身がよりボールに絡んでいくと意気込んだ。「ボールハンドラーなど、自分のプレーの幅を広げていくためのトレーニングをすでにしている。ブルースが去ったことで、この機会は増えていく。そのための準備はできていると思う」
サラリーキャップがある以上、常勝軍団を築いていくには中心選手たちの引き留めと同時に、若手の台頭などチームの新陳代謝も欠かせない。新シーズン、ブラウンが首脳陣の期待に応えられる成長を見せられるかは、ナゲッツの浮沈に少なくない影響を与える。