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「開始30秒で相手に主導権を握らせるわけにはいかない」

今シーズンからマーベリックスでプレーするセンターのアンドリュー・ボーガットが、自ら指揮官リック・カーライルに自分をスターターから外すよう直訴した。その理由は、今シーズン開幕時期からアキレス腱のケガで万全の状態ではないダーク・ノビツキーとの連携がうまく機能しないことだ。

今シーズン開幕からボーガットとノビツキーが同時に起用されたのはわずか53分間で、その時間帯のマブスの得失点がマイナス62というデータが、2人の同時起用が機能しないことを示している。

ボーガットは1月3日の練習後に『ESPN』の取材に応じ、こう語った。「自分とダークが同時に先発出場して、開始からわずか30秒で相手に主導権を握らせるわけにはいかない。だからコーチには僕をベンチスタートにするよう頼んだ。不満なんてない。前向きに取り組んでいくよ」

ノビツキーは、ケガから完治し健康な状態に戻るという条件付きで、ボーガットとのコンビネーションが「機能するはずだ」と言う。「その方法を見つけないといけない。ディフェンスで相手のプレーを止めて、オフェンスでは良いポゼッションを取る方法をね。彼との4番、5番の連携をあきらめたわけではないけれど、今のところは上手くいっていない」

ボーガットの主張は的確だ。現代のNBAではスモールラインナップが主流となっており、スモールフォワードの選手がパワーフォワードで、パワーフォワードの選手がセンターとして起用されるケースが増えている。ボーガットとノビツキーが健康な状態なら相手にプレッシャーを与えられるかもしれないが、32歳と38歳のコンビでは、どうてもスピードで劣勢に陥る。そこを突かれれば、ボーガットの指摘どおり、あっという間に主導権を握られてしまう。

ボーガットは、「例えばロケッツとの試合を例に挙げると、ダークはトレバー・アリーザかパトリック・ビバリーのマークについて、自分がビッグマンをマークする形だったと思う。どう考えたって機能しない」と言う。「もし相手が2人のビッグマンを起用してきたら、その時間帯は上手くいくだろう。でも、最近リーグで主流になっているスタイルを考えると、アリーザのような選手が4番で使われているわけだから、彼と僕の同時起用は難しいんじゃないかな」