「ディフェンスとリバウンドが勝利に繋がる、我々のアイデンティティだ」
レイカーズは八村塁の3年5100万ドル(約69億円)を皮切りに、オースティン・リーブスは4年5600万ドル(約75億円)、ディアンジェロ・ラッセルには2年3700万ドル(約50億円)を提示することで、契約延長の合意に漕ぎ着けた。
これらの契約が正式にサインされれば、レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビス、ディアンジェロにリーブス、八村とジャレッド・バンダービルトの残留が決まる。昨シーズンのプレーオフでの主要なローテーションメンバーでここから外れるのは、ラプターズと2年2600万ドル(約35億円)の契約を結んだデニス・シュルーダーだけだ。
レイカーズのロブ・ペリンカGMは「カンファレンスファイナルに進んだチームをできる限り維持したい。このメンバーで次のステップに進み、今度こそNBAファイナルに進む。我々の目標はただ一つ、18つ目の優勝バナーを掲げることだ」と語っていた。移籍の本格的な動きが始まる前のGMの発言はアテにならないものだが、今回のペリンカは言葉通りに行動した。
そしてすぐさま、さらなる補強にも動いた。ヒートのNBAファイナル進出に大きく貢献したゲイブ・ビンセントと3年3300万ドル(約46億円)、トーリアン・プリンスと単年450万ドル(約6億円)、キャム・レディッシュとジャクソン・ヘイズにはそれぞれ2年目がプレーヤーオプションの2年460万ドル(約6億円)で合意している。一方でシュルーダーに加え、マリーク・ビーズリーとマリーク・ビーズリー、トロイ・ブラウンJr.とロニー・ウォーカー四世、ウェニェン・ゲイブリエルとモー・バンバ、トリスタン・トンプソンは退団となる。
今年から3人へと枠が広がる2ウェイ契約の若手が加わるだけでなく、まだビッグマンの補強がありそうだが、チームのベースは7月頭の時点ですでに出来上がった。ペリンカGMはこう語る。「このチームのコンセプトを信頼している。ディフェンスとリバウンドが勝利に繋がる。これがダービン・ハムのシステムの根幹であり、我々のアイデンティティだ。我々はそれに合わせたチーム作りを進めていく」
レイカーズのキーマンがレブロンとデイビスであることに変わりはない。シーズンの勝負どころで彼らがどれだけコンディションを維持し、どれだけのパフォーマンスを見せるかが最も重要な要素となる。それでも、3人目のスター選手を追い求めたり、周囲をベテランで固める過去から脱却し、若くて身体能力が高く、まさにペリンカGMの言葉通りに「ディフェンスとリバウンド」を体現できるメンバーを集めた。
勝負どころでレブロンとデイビスに100%の力を発揮させるためにも、周囲のパフォーマンスは重要となる。またレギュラーシーズンの戦いを通じて、このメンバーで連携を高め、戦い方のバリエーションを増やしていく積み上げも問われる。昨シーズンは2月にチームを刷新したため、完成度の低い状態でプレーオフに臨むことになり、カンファレンスファイナルではナゲッツを相手にチーム力の差で完敗を喫した。良いメンバーは揃ったが、良いチームになれるかどうかは今後一つずつ積み上げていくしかない。