インサイドを圧倒される状況で、江村優有が両チーム最多の12得点
3人制バスケ『3×3』ワールドカップ、女子日本代表は3勝1敗でグループリーグを3位で突破し、プレーインへと進んだ。相手はアメリカ代表。これまでの相手よりフィジカルにもスキルにも優れ、アタックに対して身体をしっかり寄せてプレッシャーを掛けてもシュートを決めてくる個人技で先行される。
それでも、この大会で一躍名を上げる江村優有が道を切り開く。スピードで1対1を制してのバスケット・カウントでリズムをつかむと、変則的なステップでディフェンスをかわしてのシュートを決める。2点シュートのない選手と見られてアメリカがマークしていなかった中田珠未がオープンの2点シュートを沈めて6-5と一度は逆転に成功した。
ディフェンスではアメリカの強烈な個人技を止められず、トランジションも警戒されていて簡単にシュートを打たせてもらえない中、中田のユーロステップ、江村がスピンムーブでマークを引きはがしての2点シュート、スクリーンで作ってもらった一瞬のズレを突いて右手だけで放つ難しい2点シュートを決めて14-14と食らい付く。
フィジカルで押すアメリカには強引なプレーも多くファウルが先行したのだが、2つのフリースローを相手に与える7つ目のファウルは犯さない、それでいてディフェンスの強度も落とさないしたたかさがあった。インサイドの強さを生かすためアウトサイドをあまり打って来なかったアメリカに終盤で2点シュートが決まったことで突き放され、17-22でタイムアップ。
日本は終盤までアメリカに食らい付く健闘を見せたものの、アメリカは1点シュートが24本中15本成功、外してもオフェンスリバウンド6本とセカンドチャンスに繋いだ。リバウンドの総数でも19-9と日本を圧倒し、インサイドを制すことで試合を制した。
それでも試合後、相手選手に「背番号1はアメージングだった」と言わしめた江村はゲームハイの12得点を奪い、チームとしても劣勢の中で最後まで戦うメンタルの強さを見せた。東京オリンピックのチームで山本麻衣がそうだったように、新体制になっても圧倒的な得点力を誇るエースを擁することは日本にとって大きな武器となる。インサイドの高さの不利を埋めるタフな戦い方をどれだけ徹底させられるかが、今後のチームのカギとなりそうだ。