マーカス・スマート

「僕たち自身が小さなことをやるのに飽きてしまった」

セルティックスはヒートとのカンファレンスファイナル初戦で、前半を9点リードで終えながら第3クォーターに25-46とビッグクォーターを作られて逆転を許し、第4クォーターは1桁の点差で推移したものの一度も追い付くことができず敗れた。

セルティックスのヘッドコーチ、ジョー・マズーラは「準備は万端だったし、前半は攻守とも素晴らしかった。しかし、ロープを手放してしまった」と言い、ロープを手放した原因については「分からない」と答えた。

彼は冷静さを失っていた。試合終盤のタイムアウトの際、選手たちの前でクリップボードを放り出し、そっぽを向いた。追い付けそうで追い付けない展開で、クラッチタイムに選手たちの奮起を引き出す狙いだったのかもしれないが、それは上手くいかなかった。

マーカス・スマートは言う。「ジョーはタイムアウトを取ることはできるが、その後にプレーするのは選手であって、だから僕たちは自分自身を鏡で見つめなければならない。すべては僕たち次第なんだ」

スマートによれば敗因は「僕たち自身が小さなことをやるのに飽きてしまったこと」だ。「それはスペーシングの問題だ。ウチには素晴らしい選手がたくさんいるけど、それぞれ好き勝手に動いてスペースが重なるようでは良さを発揮できず、ヒートのディフェンスに狙い撃ちにされてしまう。何が僕らにリードをもたらしていたのか、それを理解しなきゃいけない」

アル・ホーフォードも同じことを言う。「僕らは固まりすぎていた。スペーシングについては確認が必要だ。ヒートのディフェンスが素晴らしかったのは間違いないし、それは称賛すべきだけど、そんな状況でこそ僕たちは冷静になり、自分たちのプレーを遂行しなきゃならない」

セルティックスの選手たちはシーズンを通して、自分たちのプレーができているかの判断基準を3ポイントシュートの試投数に置いてきた。この試合での3ポイントシュート試投数はわずか29本。3ポイントシュートを苦手とするヒートの31本を下回った。スペーシングが良く、パスが回っていれば、3ポイントシュートを打つチャンスが増える。しかしこの試合では、良いディフェンスからトランジションに転じることができずにセットオフェンスばかりとなり、目まぐるしく変化するヒートのディフェンスへの調整にも手間取った。

初戦を落としたショックは大きいが、カンファレンスセミファイナルのシクサーズ戦でもホームでの初戦を落としてから修正力を発揮し、シリーズを制した。振り返れば昨シーズンのカンファレンスファイナルも、マイアミでの試合ではあったが第3クォーターを14-39のビッグクォーターとされて逆転負けを喫している。ただ、そこから粘り強い戦いで『GAME7』へと持ち込み、シリーズを制した。

セルティックスは若いチームだが、プレーオフの経験は十分に積んでいる。修正力を発揮すべきはここからだ。ジェイレン・ブラウンは言う。「メンタリティを変えなきゃいけない。僕らはあまりにも冷めていて、あれじゃレギュラーシーズンの1試合だ。これはカンファレンスファイナルだ、やらなきゃいけない」