ジェイソン・テイタム

セルティックスが接戦に競り勝ち、シクサーズとの決着はGAME7へ

第4クォーターの半分が過ぎたところで、ジェイソン・テイタムはフィールドゴール14本中成功わずか1本と大不振。もう一人のエースであるジェイレン・ブラウンを中心にチームは粘り強い戦いを続けていたが、そのブラウンもトバイアス・ハリスに動きを読まれて得点が止まりつつあった。

テイタムは前半で10本のシュートを放って全部外し、あまりのタッチの悪さに自分で得点するのをあきらめた。パスを回してオフェンスを動かそうとプレーを切り替え、第3クォーターはシュートを3本しか打っていない。だが、チームの中心である彼が消極的ではチームに勢いは出ない。2勝3敗と後のないセルティックスはシーズン終了の崖っぷちへと追い詰められていた。

そのテイタムが土壇場で蘇った。第4クォーター残り4分14秒にジョエル・エンビードの目の前から打ち切った3ポイントシュートを沈めると、次のポゼッションではドライブからの急ストップでタイリース・マクシーのマークを引きはがして再び3ポイントシュートを決める。これでセルティックスは逆転、さらに4点差とシクサーズを突き放した。

なおもテイタムは止まらない。積極的に攻め続けて終盤に2本の3ポイントシュートを決める。最終スコア95-86、両チームともにディフェンスが強調されたロースコアのゲームで、終盤の3ポイントシュート4本は決定的な重みがあった。ラスト4分14秒で12得点を固めたテイタムは、43分のプレーで19得点9リバウンド6アシスト2スティール2ブロックを記録している。

試合後の会見でテイタムは「まず最初にチームメートに感謝の気持ちを伝えなきゃいけない。みんな試合中ずっと僕を励ましてくれた」と語る。

「勝たなきゃいけない試合、絶対に勝ちたい試合で全く貢献できず、レイアップやオープンショットも外してイライラしていた。物事が思い通りに進まなくてプレーを楽しめていなかったんだ。でもハドルを組むたびにチームメートが『シュートは必ず来る、それまでリバウンドとアシストで貢献しろ』と言ってくれた。僕にとってはすごく励まされる言葉だったし、それを信じてプレーし続けた」

「常に自信を持って、前向きに頑張るのが大事だ。35得点とか40得点している時にそう言うのは簡単だけど、1本しかシュートが入らず全然上手くいかない時でも、同じ気持ちでプレーしなきゃいけない。僕は自分自身にそう言い続けた。流れが来るまでは、チームが勝つために自分にできることをやったんだ」

「それに、今日の勝ちを決めたのは僕の得点じゃなくチームのディフェンスだ。シクサーズを86点に抑えるなんて、すごいことだよ」

ディフェンスもチームで奮闘。7人ローテながら最後まで強度を落とさず、アル・ホーフォードが粘り強くエンビードを止め、ハーデンとのツーメンゲームもローテーションを崩さずに守り、最終クォーターの失点はわずか13。しぶとく勝ちきって決着をホームでのGAME7へと持ち越した。

「GAME7をホームで戦えるのが楽しみだよ」とテイタムは言う。「僕らには世界最高のファンがいる。僕らはみんなのエネルギーを必要としているんだ」