八村塁

ミスマッチを突くアタックなどアグレッシブなプレーで4得点を記録

レイカーズは3勝1敗とウォリアーズを追い詰めてチェイス・センターでの第5戦に乗り込んだが、攻守にほぼ完璧なチームバスケットを遂行したウォリアーズに105-121で敗れた。

八村塁はこの日もベンチスタートながら、試合開始6分半と早い段階で投入される。この時点で9点のビハインドで流れを変えなければいけない場面、先発メンバーよりもアグレッシブにプレーして、右コーナーからドライブで動きながらのプルアップジャンプシュートで最初の得点を奪う。その後もアンソニー・デイビスのジャンプシュートをアシストし、相手の早い攻めでステフィン・カリーのキックアウトのパスに手を伸ばしてスティールに成功するなど、チームの序盤のつまづきを取り戻す働きを見せた。

第2クォーターにはジョーダン・プールとのサイズのミスマッチを突いてドライブを仕掛け、スピンムーブからケボン・ルーニーのヘルプより先にレイアップを沈める、パワーとスピードを兼ね備えた八村らしい得点を記録している。

ただ、この試合では1勝3敗と後のないウォリアーズが攻守ともにレイカーズを大きく上回った。ズレを作らせないディフェンスでレブロン・ジェームズやデイビスの持ち味を発揮させず、タフショットに追い込む。チームオフェンスが機能しないレイカーズでは、デニス・シュルーダーが個人技で得点を重ねたものの、ウォリアーズのディフェンスは粘り強く対応し続けて試合の主導権を明け渡さなかった。

常にビハインドを背負う展開でレイカーズは第3クォーター終盤に八村をセンターに据えるスモールラインナップを敷き、ウォリアーズのスモールバスケットに対抗する。シュルーダーとオースティン・リーブス、ロニー・ウォーカー四世、レブロンと八村というラインナップはクォーターをまたいで約3分半使われ、点差を15から11まで詰めている。

しかし、悪い流れを断ち切ることはできても、完全に流れを変えて試合をひっくり返すには至らない。プレーオフの戦い方を熟知しているウォリアーズは、レイカーズに良いプレーが出てもすぐに意識を切り替え、すぐに立て直して崩れなかった。

10点前後の点差で推移する展開はレイカーズに「一度流れが来れば」との期待を抱かせたが、それだけにレブロンをベンチで休ませるタイミングを見いだせなくなった。残り3分半、レブロンはシュルーダーのシュートが外れたところを豪快に押し込むプットバックなどハッスルを続けたが、体力的に限界を迎えてもいた。残り2分47秒、13点ビハインドの場面でレイカーズは主力を下げて白旗を掲げている。

ウォリアーズはステフィン・カリーが27得点。得意の3ポイントシュートは11本中3本成功とタッチが良くなかったが、無理に打たずにチームオフェンスを円滑に回すプレーを意識し、8アシストも記録している。アンドリュー・ウィギンズが25得点、ドレイモンド・グリーンが20得点で続き、チームとしてバランス良く得点を重ねた。スモールラインナップの時間が長くてもリバウンドで上回るなど、球際での強さがあったし、ウォリアーズらしい緻密なチームバスケットもきっちり遂行した。

八村は21分の出場で4得点。ほとんどの選手が得失点差マイナスとなった中、+7で終えている。スモールラインナップで起用されるなど戦術的な引き出しを増やしてもいる。ただ、その点ではレイカーズの付け焼刃は百戦錬磨のウォリアーズに通用しなかった。戦い方以前に、ハッスルでウォリアーズに負けたのも大きな課題。完敗を喫したものの、まだ優位には立っている。レイカーズとしてはホームに戻っての第6戦で決着をつけたいところだ。