ミッチェル・ロビンソン

ロビンソンを中心にオフェンスリバウンドで17-4と圧倒

ニックスはキャバリアーズとの第5戦を106-95で制し、4勝1敗で勝ち抜きを決めた。カーメロ・アンソニーの時代が終わってから長らく迷走したニックスにとっては、2013年以来10年ぶりとなるプレーオフでのファーストラウンド突破となった。

ニックスは第1クォーターを33-26で上回ると、そのまま試合終了までリードを保ち続けた。しかし、問題もあった。チームリーダーのジュリアス・ランドルが第2クォーター序盤に足首を痛めてプレーを続けられなくなった。それまで16分間のプレーで13得点4リバウンド6アシストと絶好調だったランドルの穴は大きいかと思われたが、ベンチから出たオビ・トッピンが良いプレーを見せ、他の選手もステップアップして試合の流れをキャブズに明け渡さなかった。

ニックスを率いるトム・シボドーは「レギュラーシーズン終盤、ウチはジュリアスやジェイレン(ブランソン)を始め多くのケガ人を出した。その時に他の選手がいつもとは違う起用にも応え、成長してくれた。その経験がチームを助けてくれた」と勝因を語る。

もう一つの勝因はリバウンドだ。ロースコアの展開となり、フィールドゴール成功率はキャブズに46.7%に対して43.5%、3ポイントシュートは39.4%に対して31.0%とニックスのシュートタッチは良くなかった。それでも常にリードする展開となったのは、リバウンドで48-30と上回り、特にオフェンスリバウンドで17-4と圧倒したからだ。

ジャレット・アレンとエバン・モーブリーを擁するキャブズの強力インサイドと渡り合ったのはミッチェル・ロビンソンで、オフェンスリバウンド11本を含む18リバウンドを獲得。ブランソンが自分へのダブルチームに対しパスを上手くさばき、空いた選手が仕掛けることでアレンやモーブリーはヘルプに寄る。相手がこの攻めへの対処に忙殺されてリバウンドが疎かになった面もあるが、それでもロビンソンの働きは決定的だった。

ロビンソンは自身の活躍について多くを語らなかったが、「僕にとっては初めての経験なんだ。プレーオフに出場できるのは素晴らしいよ」と士気は盛んだ。彼はNBAキャリア5年目だが、過去は度重なるケガに苦しめられて、2年前のプレーオフはケガでプレーできなかった。「ケガとは無関係で思い切りプレーできるのは最高だよ」

2年前のプレーオフでは良いところなしでファーストラウンド敗退となったが、その経験が糧になったと語るのは21得点を挙げたRJ・バレットだ。「プレーオフでは立ち上がりが肝心で、最初のタイムアウトを相手に使わせるのがとにかく一番大事だ。その後は堅実にプレーし、第4クォーターで2桁のリードを奪うこと。今の僕らには多くの武器がある。僕らはずっとプレーオフで勝つために努力してきた。だから今日の勝ちは特別だし、気分が良い。ただ、まだまだやるべきことは多い。チームとして戦い続けるよ」

カンファレンスセミファイナルの相手は、第1シードのバックスを破るアップセットを果たしたヒートとなる。ランドルの足首の状態が気掛かりだが、指揮官シボドーは「明日の検査の結果待ちだ。すぐに戻って来れることを願っている」とコメントしている。