文=丸山素行 写真=小永吉陽子

ファウルアウトで高さの優位を失った県立佐世保工業

『JX-ENEOSウインターカップ2016』2日目、男子は12試合が行われた。予選で能代工業の47連覇を阻止し初出場を決めた県立平成(秋田県)は、同じく初出場の県立佐世保工業(長崎県)との対戦。高さのハンデを全員で補い、ハードに守って走り勝つことを目指すチーム同士の戦いは、終盤までもつれるシーソーゲームとなった。

拮抗したまま迎えた第4クォーター、一時は逆転に成功した県立佐世保工業だが、それまでリバウンド争いで存在感を見せていた188cmの立石宝龍が5つ目の個人ファウルを犯し退場に。その後も一進一退の攻防が続くが、チームで最も背が高い選手の退場が響き、県立佐世保工業は勢いを失っていく。

残り1分11秒、県立平成は内藤達也が合わせからのシュートをねじ込んで85-83と勝ち越す。この局面で県立佐世保工業は2回連続でシュートまで持ち込めずポゼッションを渡してしまう。これが決定打となり、県立平成が85-83で接戦をモノにした。

佐々木信吾ヘッドコーチは「最後に追いつき、プレッシャーが効いた」と語り、「ディフェンス、ルーズボール、走ることを頑張れた」と自分たちのスタイルを出せたことを勝因に挙げた。

県立佐世保工業の水戸義久ヘッドコーチは2連続ターンオーバーを犯し流れを渡してしまったシーンを振り返り「私が生徒にプレッシャーを与えてしまったと」その環境を作った自分を責め、「子供たちは頑張った、生徒に感謝したい」と締めた。

土浦日本大学の戦局を翻す超攻撃的ディフェンス

U-18男子日本代表で活躍する杉本天昇が所属する名門、土浦日本大学(茨城県)が東海大学付属諏訪(長野県)と対戦した。

立ち上がり、強力インサイド陣を擁する東海大学付属諏訪にリードを奪われた土浦日本大学だが、我慢の時間帯にオールコートでプレッシャーをかけ続けて流れを呼び込み、後半に入ると一気に爆発。超攻撃的なディフェンスで次々とターンオーバーを誘発し、スティールから速攻を連発して一気にリードを2桁に乗せ、そのまま流れを渡すことなく86-59で勝利した。

杉本はドライブから正確なジャンプシュートを次々と沈めてゲームハイの31得点を記録。エースの役割を果たしている。

興南 70-57 光泉
県立豊浦 53-46 前橋育英
浜松学院 100-83 松江西