ラウリ・マルカネン

「願わくばこのままジャズでプレーを続けたい」とファンを安心させる

ジャズは37勝45敗で西カンファレンス12位に終わり、プレーオフを逃したが、ドノバン・ミッチェルとルディ・ゴベアの放出から始まったシーズンは、新チームが大健闘を見せたことで概ね満足のいくものになった。キャバリアーズから移籍して来たラウリ・マルカネンは、自己ベストを大幅に更新する25.6得点を挙げ、NBAキャリア6年目にしてジャズのエースとしての地位を確立した。

その彼は充実したシーズンを終えて、フィンランドに戻って兵役に就く。シーズンが終わってソルトレイクシティを去る前の最後の会見で、彼はそれを正式に表明した。「ポストシーズンに進まないのであれば、兵役を後回しにせずこのタイミングでやろうと考えていた。具体的に何日やるかは分からなくて、もしかすると2年に分けるかもしれない。僕の友人にもそうやって兵役を終えた人がいるんだ。いずれにしてもバスケに悪い影響は出ないように、上手く調整するつもりでいる」

マルカネンの場合はアスリートが集まる部署に配属され、オフシーズンのトレーニングや練習も行えるようだ。彼の心配は軍事訓練やバスケのことより、むしろ212cmの彼に合う制服と靴があるかどうかだとジョークを飛ばした。

「夏の間もしっかり次のシーズンに向けた準備ができると聞いている。今シーズンは僕がオンボールでプレーすることが多くなって、これまでの役割とは違ったからコーチの意見も聞いたし、ダブルチームに対して正しいプレーを選択できるよう努力した。実際、かなり上手くなったと思っているんだ。でも、まだまだ向上の余地はある。オフにはまず今シーズンの映像をじっくり見直してみたい」

プレーオフ進出を最後まで争ったが、大健闘中のシーズン途中に他の主力を放出するなどフロント側には勝つ意欲が薄かった。マルカネンは「僕たちはプレーオフに出たかったし、できる限りたくさん勝ちたかった」と言いながらも、クラブの方針に理解を示している。

「でも、まだ僕たちの番じゃなかったんだと受け止めているよ。僕らは良い働きをしたし、スタッフもフロントも有能だから、このチームはいずれそこにたどり着くと思う。僕らの気持ちは『すぐ勝つ』だったから、ここでシーズンが終わったのは残念だけど、僕らの前には明るい未来が広がっていると思うよ」

エースの重責を果たし、NBAオールスターに選出され、MIPの有力候補にもなっている自分の成長について「それだけの努力はしてきたつもりだから、驚いてはいない。こういう活躍が自分にはできる、とずっと思っていたんだ」と彼は言い、「一つだけ驚いたのは試合でリバースダンクを決めたことかな。試したこともなかったからね」と笑顔を見せた。

多くの主力選手を放出した1年だっただけに、このオフにマルカネンをトレードの駒に使うのではないかと地元ファンは一抹の不安を抱いている。それでもマルカネンは、ソルトレイクシティに家を購入したという噂を肯定することでファンを安心させた。

「ダニー(エインジ)が家を買うよう僕に勧めたという記事が出たけど、それは本当だ。実際に家を買ったんだ。この世界では何が起きてもおかしくないけど、願わくばこのままジャズでプレーを続けたいと僕は思っている。このチームは選手が家族や彼女と一緒にいることを大切にしてくれる。前にいたチームでもそういうことはあったけど、ここではその辺でいつも誰かの子供が走り回っているよね(笑)。選手だけじゃなく家族で一緒に過ごせる、とても良い環境だ。僕の妻もここを気に入っているよ」

「そこで僕は自分の仕事に誇りを持って頑張っているし、チームメートの成長を見るのも楽しい。来シーズンが今から楽しみだよ」