38得点のカワイ・レナードを周囲が盛り立て、クリッパーズが敵地で先勝
クリッパーズはサンズとの初戦に115-110と競り勝ち、敵地で貴重な1勝を挙げた。カワイ・レナードが42分のプレーで38得点と大活躍。それでもポール・ジョージは膝の捻挫からの回復が間に合わず、このシリーズでは不在という状況で、サポートキャストがエースを盛り立てたからこそ、この1勝がある。
イビツァ・ズバッツとメイソン・プラムリーはクリス・ポールを起点とするピック&ロールに揺さぶられながらもゴール下をしぶとく守り、テレンス・マンはアグレッシブな動きでチームに縦のスピードをもたらし、エリック・ゴードンはワイドオープンを外すことがあっても自分の役割を忘れず、果敢にシュートを狙い続けた。
その極め付けがラッセル・ウェストブルックだ。カワイが勝負どころでシュートを決め続けた一方で、ウェストブルックはフィールドゴール19本を放って決まったのは3本だけ。レイカーズ時代に散々に批判されたジャンプシュートの確率の悪さは相変わらずだった。それと同時に、流れが悪くても屈しない闘争心、ボールへの執着心といった『ウェストブルックらしさ』を遺憾なく発揮。得点は9に留まったが10リバウンド8アシスト2スティール3ブロックと、ありとあらゆる場面に顔を出し、チームにエネルギーを注入し続けた。
ウェストブルックは試合後にこう語る。「これまでのキャリアも通して、自分自身を誇りに思っている。僕は毎試合どんな仕事でもやるタイプの選手で、チームが勝つために必要なことは何でもやる。そういう意味では、シュートが決まらなくてもチームに良い影響を与えると信じて起用してくれるタロン・ルーに感謝しているよ」
特に勝負どころでのリバウンドでの強さは際立っていた。第4クォーター残り2分40秒にはオフェンスリバウンドを取った後に落ち着いて周囲を見回し、カワイの3ポイントシュートをアシスト。残り43秒には3ポイントシュートのこぼれ球に飛び付き、相手選手に当ててポゼッションを取り戻している。いずれも試合終盤、1点差の場面でのオフェンスリバウンド奪取で、ギリギリの戦いの中でサンズに流れを明け渡さないビッグプレーだった。
大事な時間帯でリバウンドを取る秘訣を問われた彼はこう答えている。「まずは勝利への意思、時間とスコア、有利なポジションと不利なポジションを理解すること。僕に言わせてもらえば、リバウンドで僕より優れている選手はいないよ」
どちらに転んでもおかしくない試合展開で、クリッパーズはチームプレーに徹し、攻守に高いエネルギーを発揮し続けて勝利をもぎ取った。ウェストブルックは「ウチは良いチームで、良いバスケットボールができている。自分たちのリズムを作り、相手に流れがある時間帯にもしっかり対処し、堅実なプレーを続けられた。つまり、ゲームプラン通りだった」と言う。
「特に僕は、みんなが信頼してくれれば、バスケットボール選手としてだけでなく人としても全力を尽くす。その義務があると思っているんだ。ただ、プレーオフでは先に4つ勝たなきゃいけなくて、そこにたどり着くまでの過程を問わない。今日は最初の勝利を楽しむけど、明日からはすべて切り替えて次に備えるよ」