15得点7リバウンド8アシスト2ブロック「必要なことは何でもやる」
プレーオフ進出に向けて東カンファレンスの6位を守り続けるネッツは、現地4月4日のティンバーウルブズ戦で微妙な判定に泣き、連勝を3でストップさせてしまった。失意のうちにデトロイトへと移動して翌日に迎えたピストンズ戦、選手たちは気持ちを切り替えて123-108の完勝を収めた。
指揮官ジャック・ボーンは「このチームはあきらめない選手が集まっている。ボックスアウトを怠らず、フィフティ・フィフティのボールに飛び込み、互いをカバーし合うディフェンスが勝利をもたらした」と話す。
若手中心のピストンズに対し、ネッツは付け入る隙を与えなかった。第1クォーターに3ポイントシュート成功10本を含む47得点の先制パンチを浴びせ、そのまま最後までリードを保った。
スペンサー・ディンウィディーは「前の試合で何があろうと、僕らはプロだから先に進む。次の日にはまた新しい挑戦がある」と言う。「マジックナンバーは2だと分かっていたし、今日勝って1になった。残り2試合、僕らは自分たちの運命を自分たちでコントロールできる」
そのディンウィディーはフィールドゴール10本中1本成功とシュートタッチが絶不調で、わずか6得点に終わった。それでも16アシストを記録してターンオーバーが2つと、見事なプレーメークを見せている。ミケル・ブリッジズが26得点、ジョー・ハリスが18得点を挙げ、渡邊雄太も7分のみのプレーだったが3ポイントシュート2本を決めて6得点を記録した。
そして、ロイス・オニールは15得点7リバウンド8アシスト2ブロックと、持ち前の攻守にレベルの高いプレーを披露している。ジャズから加入したオニールは開幕から先発として活躍してきたが、トレードデッドラインのチーム改造とともにパワーフォワードの先発をドリアン・フィニー・スミスに譲ってベンチスタートに回った。そのフィニー・スミスがケガで欠場となったことで、それ以来のスタート起用となったことで本領を発揮し、勝利に大きく貢献した。
オニールはNBA6年目のシーズンを戦っているが、2015年のNBAドラフトにエントリーするも指名されず、ドイツとスペインでプレーしながらサマーリーグに参加して、ドラフト外でNBA入りのチャンスをつかんだ苦労人だ。ドイツ時代には現千葉ジェッツ指揮官のジョン・パトリックの教えを受けたこともある。そうやって実力を蓄え、ステップアップしてきた彼のポリシーは「常にチームに必要なことを提供すること」であり、ジャズで実績を積み、ネッツ加入1年目の前半戦で活躍しながらベンチスタートに回っても文句一つ言わず、自分の務めを遂行し続けた。
先発に復帰した今回も「僕のプレーは変わらない。プレーメークでも得点でもディフェンスでも、チームが勝つために必要なことは何でもやる」と語っている。
前日の負けを引きずらなかったことについても「昨日の負けはショックだったけど、試合後にJV(ボーン)が僕たちに、『深夜0時になったらあの試合は終わりにして、次の試合に集中しよう』と言ったんだ。僕たちはみんな、そういうメンタリティで戦った。試合中も同じで、上手くいかないことがあっても引きずらず、次のプレーに意識を向けることが大切だ。自分たちがコントロールできることに集中したんだ」
そのメンタリティはこの先も変わらない。オニールは言う。「プレーオフ進出を確実なものにするには、まだあと一つ勝たなければいけない。そのことに意識を向けて、やるべきことに取り組む。他のチームのことは気にせず、自分たちがコントロールできることに集中するんだ」