バスケが安らぎに「ここに居場所があることがありがたいよ」
アンドレ・ドラモンドは現地3月29日のレイカーズ戦を欠場し、「SNSはすべて削除して電話番号も変える。メンタルヘルスに集中する時だ。あなたも精神的に苦しんでいるなら、一人じゃないことを分かってほしい。助けを求めていいんだ」とのツィートを投稿した。
その後はチームに戻ってプレーを再開した彼は、精神的な問題によりチームを離れていたことを明かしている。「精神的にいろいろと抱え込んでいた。自分の心を整理して、放ったらかしにしていた問題に向き合うために少し休む必要があったんだけど、もう大丈夫だ」
ブルズは38勝40敗、東カンファレンス10位でプレーイン・トーナメント進出をもう少しで確実なものにできる。「メンタルヘルスでやるべきことはまだあるけど、僕には仕事がある。バスケをして試合に勝ち、プレーオフに進まなきゃならない。個人的な問題には、対処すべき時が来たら対処するよ」
「実際に何が起きているのかはっきりとは分からなくても、みんな僕のそばにいてくれた。それがありがたかった」とチーム内外のサポートに感謝するドラモンドは、自分の言葉で現状を伝えようとした。
「僕らは世間からスーパーヒーローのように見られる。何があってもビクともせず、バスケ以外の人生はないと思われているんだ。でも、世間は理解していなくても僕たちには試合以外のプライベートがあって、時にはそれが負担になる。スーパーヒーローもどこかでマントを脱がなきゃいけない時があるんだ」
プロのアスリートは強さの象徴であり、弱みをさらけ出したりはしないものだった。ただ、それも時代の流れに合わせて変化しつつある。NBAで精神的な問題を抱えていることを公にした最初の一人は今はドラモンドのチームメートであるデマー・デローザンで、その後も何人かの選手が自分の抱える問題を公にしている。
「男らしくあれ、僕らはと言われてきた。何も悩みなんかなく、弱いものを守り、支え、すべてをこなす存在であることを期待されている。でも、ここ数年で精神的な問題に光を当てても大丈夫だと言う人たちも出てきた。自分の抱える問題を明かせば、他の人たちも同じような道を進んでいることが分かる。一緒に進むことで、誰も一人じゃないとみんなに知ってもらえる」
そしてドラモンドは、自分を支える仲間と一緒にバスケをすることが、自分にとっての安らぎになっていると語った。「僕のことを大切に思ってくれる人たちの存在は本当にありがたい。こうして戻って来てバスケができて本当に良かった。ここに居場所があることがありがたいよ」