桶谷ヘッドコーチ「スピードのミスマッチを狙われてやられてしまった」
琉球ゴールデンキングスは4月1日、アウェーに乗り込んで千葉ジェッツと対戦。終盤まで食らいつく粘りを見せたが、攻守ともに勝負どころの遂行力で劣り85-89で敗れた。これで琉球は、首位の島根スサノオマジックとのゲーム差が3に開いている。
琉球は立ち上がりこそ、外から高確率で沈めたジョシュ・ダンカンの存在もあり22-14と先行する。しかし、徐々に千葉Jのスピードへの対応に苦しむと、前半終了間際に40-42とひっくり返される。そして後半は、第3クォーター中盤に2桁のビハインドを負うなど常に千葉Jのペースで推移。終盤に3点差にまで迫る粘りを見せたが、ここ一番で止め切ることができずに勝利を逃した。
この試合、琉球はフリースローが25本中10本と絶不調で、もう少し入っていたら勝てたという見方は当然のようにある。だが、中身を見ると堅守を基盤とする琉球だが、すべてのクォーターで20失点以上の計89失点と、試合を通して千葉Jのオフェンスを食い止めることができず。少なくとも第2クォーター以降は、相手に主導権を握られており、点差以上の実力差を感じた部分は否めない。
琉球の桶谷大ヘッドコーチは、このように試合を振り返る。「出だしはインテンシティの高いディフェンスをできていました。第3クォーターの入りで、(ヴィック)ロー選手のビッグマン同士によるピックプレーから連続で得点を取られて主導権を握られました。スピードのミスマッチを狙われてやられてしまった。途中からビッグマンではなく、今村(佳太)がロー選手のマークについて前からプレッシャーをかけることで、簡単にボール運びをさせなかったり、ちょっとはディフェンスでプレッシャーをかけてくれました。ですが、その前につけられた点差が最後まで尾を引きました」
指揮官が言及したように、琉球の悪い流れをなんとか食い止め、終盤に追い上げるきっかけを作ったのは今村だ。ロー、クリストファー・スミスの外国籍フォワードへのタフな守備に加え、オフェンスでも3ポイントシュートが7本中2本成功と不発に終わる中でもハンドラーとして積極的にアタックし、17得点4アシストと奮闘した。
「千葉さんの方が圧倒的に格上で、自分たちはそこにチャレンジしないといけない」
「試合を通して、自分たちのやりたいことはできた試合だったと思います。ただ、フリースローだったり、最後にオフェンス、ディフェンスともに遂行できないところがありました。オフェンスではインサイドからのキックアウトでうまく行っていた部分はありますが、ボールの流れが停滞した時間帯もありました。最初のピックプレーが崩れた時でも、いかに流れを作るかが鍵になってきます。ディフェンスでは富樫(勇樹)選手、ロー選手にオープンで打たれてしまったところが結構あったので、コミュニケーションの精度をいかに高くできるかが大切です」
こう試合を総括した今村は、外国籍へのディフェンスについてこう意気込む。「今日に関してはロー選手とマッチアップした時、フィジカルに加え、それ以外のところでもっとフラストレーションを溜めさせることができたと思います。そこはチャレンジしていきたいです」
これで琉球は、天皇杯に続いて千葉Jに敗戦。しかも天皇杯はギャビン・エドワーズ、今回は原修太にエドワーズと中心選手を2人欠いた相手に敗れている。こういった背景もあり、「現状、千葉さんの方が圧倒的に格上で、自分たちはそこにチャレンジしていかないといけない」と今村は力の差を率直に認める。
また、冒頭で触れたように今回の敗戦で、西地区優勝もかなり厳しくなっており焦りが出てきてもおかしくない状況だ。ただ、今村はしっかりと足元を見つめている。だからこそ、今日の試合で必勝を期す。「何が大切かと言えば、常に成長のためにチャレンジしていき、相手にとって脅威になれるかです。苦手意識を持たずに、自分たちがメンタル的にもしっかりとアドバンテージを取るために、しっかりと勝ちをもぎとりたいと思います」
これから何が起こるかは当然分からないが、琉球が今の順位でチャンピオンシップに出場した場合、勝ち進むとセミファイナルで今回と同じくアウェーゲームで千葉Jと対戦する。レギュラーシーズン最終盤に向けて弾みをつけるためにも、今日こそはなんとしても千葉Jに一矢を報いる必要がある。
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