ロースコアの我慢比べも、ここ一番での決定力で違いを見せて12連勝を達成

島根スサノオマジックは3月19日、アウェーで宇都宮ブレックスと対戦。ともに強度の高いディフェンスを継続しロースコアの展開となったが、ここ一番の決定力で上回った島根が73-61で競り勝った。これで島根は、連勝を12に伸ばしている。

立ち上がりの島根は、ターンオーバーからの失点などで宇都宮のアイザック・フォトゥに連続得点を許すと、タイムアウトを取って悪い流れを断ち切る。これで落ち着きを取り戻すと、逆にターンオーバー奪取から得点を奪うことに成功。さらに安藤誓哉、ニック・ケイの3ポイントシュートも決まって怒涛の10連続得点で逆転する。そして、堅いディフェンスで宇都宮に外からのタフショットを打たせることで17-11と先行した。

しかし、第2クォーターに入っても前日まで3試合連続でトリプル・ダブルを達成と、絶好調のペリン・ビュフォードが宇都宮の徹底マークにあいリズムに乗れず。攻撃の起点が前半わずか1得点2アシストと沈黙したことが響き、このクォーターは9得点に留まってしまう。それでもオフェンスの不調をディフェンスで補うことで、26-25とリードをなんとかキープする。

後半に入っても互いに守備の激しいプレッシャーを継続し、僅差で推移する白熱の展開となる。だが、第4クォーターになると島根が、勝負強さで上回っていく。宇都宮がゴール下のレイアップなど決めるべきシュートを外したのに対し、島根はビュフォードがドライブからオフバランスでのタフショット成功。さらに安藤が、トランジションで生まれたわずかなシュートチャンスを逃さず3ポイントシュートを決め、残り3分18秒でリードを10点に広げる。

ここから宇都宮の粘りにあい、残り2分半で5点差とすぐに肉薄された島根だが、再び安藤がビッグショットを決めて突き放す。最後はケイがスティールからダメ押しのダンクを叩き込んで、激闘に終止符を打った。

島根のポール・ヘナレヘッドコーチは「オフェンスがうまくいかなかった時間帯があるにせよ、選手たちが我慢して勝利をモノにしてくれました」と振り返る。そして、守備のビッグプレーがチームに勢いを与えてくれたと、第4クォーターで抜け出せた要因を語る。

「終始ディフェンスをうまくできました。強度の高いディフェンスによって、勢いに乗ることができます。(試合残り4分半で)ビュフォード選手がフォトゥ選手をブロックしたり、ディフレクションや要所でリバウンドをつかむ。ケイ選手のスティールからのダンクもありました。これらは勢いがつく、良いきっかけになったと思います」

接戦を勝ち切れる強さに自信「昨年とはかなり、体感としても違います」

チーム全員によるディフェンスでのハードワークが光った島根だが、オフェンス面でチームを牽引したのは安藤だ。3ポイントシュート11本中6本成功を含む24得点5リバウンド4アシストを記録。特に第4クォーターは、フィールドゴール3本中3本成功の8得点と圧巻の勝負強さを披露した。

「ペリンに相手がダブルチームをたくさん行っている中、大雑把に言うと、チーム全員が特に後半、集中できていました。勝ってやろうという気持ちが前面に出ていたと思います」

このように総括した安藤は、今回に限らず今シーズンの島根の特徴である我慢比べの強さに自信を見せる。「昨年とはかなり、体感としても違います。結果としてもそれが出ています。これを(ヘナレ体制になってから)2年目にできるのはすごく良いことだと思います」

安藤自身も言及したが、この試合で大黒柱のビュフォードは宇都宮の徹底マークにあい、フィールドゴール12本中3本成功の10得点に加え、5アシスト4ターンオーバーと低調だった。それでも勝てたことの価値を安藤は強調する。

「今日ここで負けたら、他のチームも(ビュフォードを徹底マークする)『このやり方でいけばいい』と思います。でも、宇都宮さん相手に勝ち切れました。しっかりスカウティングされても勝てたのは大きいです」

また、ビュフォードの調子が悪い時こそ、自分が積極的に行くべきという心構えは常にできていると続ける。「そこはバランスだと思っています。逆に言うと『いつでもやってやる』という自信はありますし、その気持ちでいます」

開幕から順調に白星を積み重ねている島根は、ビッグマンのリード・トラビスが約2カ月の故障離脱から2月に復帰し、タレントが揃うことでよりチーム力を増している。これで35勝7敗とし、西地区でも2位の琉球ゴールデンキングスに2ゲーム差をつけて首位の座をキープしている。

だが、安藤は順位について「僕は元々、気にしていないです。チームとしても順位というより質にこだわっていると思います」と語り、優勝にはさらなる進化が不可欠と続ける。「ケガ人もいなくてタレントは揃ってきていますが、それぞれの役割を突き詰めていかないといけない。チャンピオンシップを優勝できる連携には、まだだと思います」

リーグ随一のオールラウンダーであるビュフォードは、ここまで昨シーズン以上に大暴れしている。だが、島根にはビュフォードと同等の支配力を持つ安藤がいる。ビュフォードを抑えれば、どうにかなるチームではないことを改めて証明した一戦となった。