第4クォーターのオフィシャルタイムアウト後に連続得点し、最大21点のリードを得る
3月19日、サンロッカーズ渋谷とアルバルク東京による『渋谷ダービー』の第2戦が行われた。お互いに強度の高いディフェンスを見せたことでロースコアゲームとなったが、終盤まで守備を徹底し、オフェンスの爆発力も見せたA東京が67-54で勝利を収めた。
A東京は試合開始早々に主導権を奪われ0-7とビハインドを背負うが、積極的にゴール下へアタックしたことで、第1クォーター残り3分半にSR渋谷の5つ目となるチームファウルを誘発し、フリースローで加点していく。そして、吉井裕鷹とジャスティン・コブスが連続で3ポイントシュートを沈めて残り2分に逆転し、18-16とわずかにリードして第1クォーターを終える。
第2クォーターに入ると、開始早々に司令塔のベンドラメ礼生からチャージングを誘発した岡本飛竜を中心に、A東京がプレッシャーディフェンスで簡単にシュートを打たせず、このクォーターをわずか9失点に抑える堅守を見せる。オフェンスでは、ピック&ロールを起点にボールを動かし、逆サイドの安藤周人らシューター陣がオープンスリーを連発。ミスショットになっても、セバスチャン・サイズらビッグマンがオフェンスリバウンドからセカンドチャンスポイントを稼いだことで21-9のビッグクォーターを作り出し、リードを14点差に広げてハーフタイムを迎えた。
2桁ビハインドを背負ったSR渋谷は、「彼が起点になってくれた時間はすごく大きかった」と浜中謙ヘッドコーチが称賛した小島元基が第3クォーターだけで3アシストを記録し、反撃に出る。しかし、オープンショットのチャンスを生かし切れず、10点ビハインドで最終クォーターへ突入した。
第4クォーター、A東京はオフェンスリバウンドを得るもゴール下を決め切れずリードを広げられない。しかし、ボールマンプレッシャーやディナイなどここまで見せていたディフェンスを徹底したことで失点を最低限に抑え、お互いに得点が伸び悩んだ状態でオフィシャルタイムアウトへ。
タイムアウト明け、ここからA東京がギアを上げる。ザック・バランスキーがケビン・ジョーンズとのミスマッチになるも身体を張って侵入を阻止すると、続くオフェンスではコブスのこぼれたレイアップをサイズが押し込み得点に成功して、完全に主導権を握った。その後は、再びサイズのセカンドチャンスポイントやコブスのトランジションスリーなど、ここまで当たっていなかったシュートが決まり始めて残り1分半にこの日最大の21点差に。両チームが日本人選手のみを起用した残り1分以降に連続失点するも、リードを守り切り、13点差で勝利した。
試合トータルで54失点と、強固なディフェンスから勝利を手繰り寄せたA東京のデイニアス・アドマイティスヘッドコーチは、次のように試合を振り返った。「今日の試合は、フィジカル面はもちろんですが、集中力を切らさずに出だしから相手をやっつける気持ちで入れたことがキーポイントだったと思います。ディフェンスはアグレッシブに、しっかりとパスコースに入ったり、正しいポジションにいることが大事です。これを選手たちがしっかりと遂行したと思います」
A東京の得点を60点台に抑え込みながらも、オフェンスで安定感を出せなかったSR渋谷の浜中ヘッドコーチは「ディフェンスゲームとしてはすごく評価できる」と話し、次のように続けた。「我慢強くディフェンスしてボールを奪えていても、チームでバスケットをすることが欠けてしまいました。1対1を始めてしまったり、みんながボールに寄ってしまうなど、共通理解が取れていませんでした」