スタートダッシュに成功するも波に乗れない横浜
10月30日のレバンガ北海道戦に勝利して以降、1カ月以上勝ち星から遠ざかっていた仙台89ERS。この試合も序盤は横浜ビー・コルセアーズにペースを握られる。細谷将司のスティールからの速攻、川村卓也の3ポイントシュートで、いきなり0-9と突き放される。
通常であればタイムアウトを取って流れを切りたい場面だが、仙台の間橋健生ヘッドコーチは動かなかった。間橋は「選手を不安にさせないようにタイムアウトを前半は何があっても取らないつもりでした」と試合後に説明した。
選手たちもその信頼に応え、反撃を開始。片岡大晴がボールをもらう前の動きで相手をかく乱し、オフェンスを活性化させる。ウェンデル・ホワイトの3ポイントシュートが決まり14-17と3点差まで追い上げ第1クォーターを終えた。
立ち直った仙台はその後も一進一退の展開に持ち込み、50-53と3点ビハインドのまま最終クォーターを迎える。わずかな差であれほとんどの時間帯でビハインドを背負いながら、ここまで我慢をしながら追いかけていた仙台が、第4クォーター開始直後からペースを上げて一気に逆転する。
片岡「我慢してもらった分を返していきたい思いが強い」
片岡のスティールからホワイトの速攻、片岡がマークを引きつけてのチリジ・ネパウエのダンクが飛び出し、決まり1分を経たずして逆転に成功。
その後も激しいディフェンスでターンオーバーを誘発。ボールマンへのプレッシャーを強め、横浜のオフェンスを停滞させていった。スクリーンの対応ではスイッチをしないことで、「ズレ」を作らせず、得点を許さない。
横浜はボールがうまく回らず、消去法的にビッグマンの1on1が増えていく。リングに近い所でシュートを放つもオフェンスリズムが悪いせいか、ことごとく外れてしまう。
仙台はパスがよく回り、人もよく動いて合わせのプレーが目立った。また、横浜とは対照的に片岡とホワイトがタフショットを立て続けに沈めた。残り1分39秒、ホワイトのシュートが決まり11-0のランで74-59と突き放し、勝利を決定づけた。
ゲームハイの20得点16リバウンドを記録し大活躍のホワイトだったが、本人はあくまでチームオフェンスを遂行したに過ぎないと淡々に今日の出来を語った。
「今日の数字に関して特に感じていませんし、自分のパフォーマンスに関してもそこまで評価する部分はないです。コーチに言われたこと、チームに必要だと感じたことを遂行したまでです」
勝負強さを見せ、ホワイトに続く18得点を記録した片岡は「試合前に控え室でヘラヘラしてる選手もいなかったですし、勝ちたい気持ちだけだったと思います」と語る。
「ブースターさんたちに我慢させてきたので(連敗を止めて)うれしいですけど、我慢してもらった分を返していきたい思いが強いので、今は喜んではいけないなと感じています」
横浜の青木勇人ヘッドコーチは「勝負どころのミスとスコアを入れられるのが続いたこと」を敗因に挙げた。1試合で6個というアシストの少なさが合わせのプレーや淡白になってしまったオフェンスの停滞を物語っている。
仙台が連勝し浮上のきっかけを作るか、それとも今日の反省点を改善し、横浜がホームのファンの前でリベンジを果たすか。横浜vs仙台の第2戦は本日14時ティップオフ。