マラカイ・ブランナム

指揮官ポポビッチ「悔しさは忘れてほしくない」

スパーズはオールスターブレイク前の最後の試合となるホーネッツ戦を110-120で落とした。これでクラブ記録を塗り替える14連敗。現地1月17日にネッツに勝っているが、これはケビン・デュラントとカイリー・アービングの欠場に助けられた形。その前にも5連敗を喫しており、とにかく勝てていない。

昨夏にデジョンテ・マレーを放出し、トレードデッドラインにはヤコブ・パートルもトレードに出した。完全に再建に踏み込んで1年目となる今シーズンは勝てなくても仕方がない。だが、あまりにも内容に乏しく、試合で何かを吸収する姿勢が見られないとなれば、ヘッドコーチのグレッグ・ポポビッチは黙ってはいない。

現地2月15日のホーネッツ戦は、負ければクラブワーストの連敗記録を作ることになり、相手は自分たちと同じく下位で、オールスターブレイク前に勝てば少しは雰囲気も良くなる。つまりは勝っておきたい試合だった。前半を57-60とわずかなビハインドで終え、ハーフタイムに戦い方を確認して迎えた後半最初のプレー、マラカイ・ブランナムが一人でアタックに行き、ブロックショットを浴びて速攻に走られ、簡単にデニス・スミスJr.のダンクを許す。

後半が始まってたった16秒しか経っていなかったが、ポポビッチはタイムアウトを要求。チームオフェンスを遂行せず、ディフェンスに戻るのも遅れた選手たちに激怒しており、彼らがベンチに戻るより前に、指揮官がコートへと飛び出した。ブランナムは「プレーするつもりがあるのか、ないのか。かなり激しい口調でそう聞かれた」と、この時のことを振り返る。

その後にチームは持ち直し、第4クォーター途中に1点差まで詰め寄ったが、反撃もそこまで。マーク・ウィリアムズのダンク、スビ・ミハイリュクとラメロ・ボールの連続3ポイントシュートで突き放され、反撃ムードは断たれてしまった。

ブランナムは昨年のNBAドラフトの1巡目20位で指名されたルーキーで、シーズンが進むにつれてプレータイムを伸ばしている。ホーネッツ戦ではポイントガードとしてラメロ・ボールとマッチアップし、33分のプレーで23得点6リバウンド3アシストを記録。個人としてはまずまずの結果を残したが、試合後の彼は「負けを受け入れるのは難しい。もっと上手くやろうとしているのに、また負けるのは悔しい」と感情を露わにした。

ポポビッチは「あえて厳しい言い方をした」と、後半早々のタイムアウトについて語る。「選手たちには少しの休暇を、愛する人や親しい人と過ごしてほしい。少し時間を取ってほしいんだ。ただ、負け続けていることの悔しさは忘れてほしくない」

オールスターブレイクは中7日と、まとまった休養になる。シーズン再開の時にはトレイ・ジョーンズとロミオ・ラングフォードが戦線復帰し、パートルとのトレードでラプターズから獲得したケム・バーチも使えるようになる。また今年に入ってすぐ膝を痛めて欠場しているエースのデビン・バッセルも、まだ復帰へのスケジュールは立っていないが、オールスターブレイクが明けてそう遠く時期にプレーを再開できそうだ。

再建が始まったばかりの今シーズン、必ずしも勝利は求められないかもしれないが、戦う姿勢を前面に出せない選手は必要とされない。そう遠くない未来に『強いスパーズ』を取り戻すため、小休止を挟んでチームは再び前進する。