藤田ヘッドコーチ「ナイナーズらしい泥臭い試合に持ってこれた」
秋田ノーザンハピネッツvs仙台89ERSの『東北ダービー』第2戦はリードチェンジを繰り返す大接戦となったが、勝負どころのシュート精度で上回った仙台が67-61で制し、前日の雪辱を果たした。
序盤から互いにターンオーバーを奪い合う、ディフェンスがオフェンスを上回るロースコアの展開に。仙台は大黒柱のジャスティン・バーレルが強気にアタックし、ミドルシュートにゴール下と10連続得点を挙げてオフェンスを牽引。一方の秋田はハードな仙台ディフェンスに手こずり、スムーズなセットオフェンスが遂行できなかったが、中山拓哉が3ポイントシュートを沈め、保岡龍斗が落ち着いてノーマークのミドルシュートを沈めるなど、少ないフリーのシュートチャンスを確実にモノにし、15-15と同点で第1クォーターを終えた。
第2クォーターに入ると、ディフェンスが機能した仙台がリズムをつかむ。第1クォーターに引き続き強度の高い守備でタフショットを強いると、ベイリー・スティールのブロックショットも飛び出して失点を防ぐ。守備が安定したことでオフェンスのテンポも良化。トランジションから田中成也が3ポイントシュートを射抜くなど攻守が噛み合い、約2分半で10-0と走った。その後、5本中3本成功と秋田の持ち味である3ポイントシュートを高確率で許したものの、2点のフィールドゴールをわずか1本に抑える集中したディフェンスを見せ、35-28で前半を終えた。
後半に入ると、ディフェンスのギアを上げた秋田がジワジワと点差を縮めていく。前線からプレッシャーをかけると、ハーフコートでターンオーバーを連続で奪いオフェンスに転じるトランジションが機能。シュートタッチの良いバーレルの個人技がなかなか止められなかったが、長谷川暢の速攻で締め2点差に迫って最終クォーターを迎えた。開始15秒、秋田は中山拓哉の得点でようやく同点に追いつく。その後、逆転を繰り返すシーソーゲームが終盤まで続いたが、ここ一番のシュート力が明暗を分けた。
仙台の1点ビハインドで迎えた残り2分、スティーブ・ザックのムービングスクリーンによってポゼッションを得ると、絶好調のバーレルがザックとの1on1から豪快なダンクをかまして逆転に成功する。バーレルはダブルチームに冷静に対処し、中山の個人4つ目のファウルを誘発。これが5つ目のチームファウルとなり、フリースローで1点を加えた。
2点を追いかける秋田は残り38秒にザックがフリースローを獲得するも、ここで痛恨の2投ともミス。同点にされるピンチを脱した仙台は残り9秒にファウルゲームで得た青木保憲がきっちりと2投とも沈めて、熱戦に終止符を打った。
藤田弘輝ヘッドコーチは「きれいな試合ではなかったですけど、チーム全員がディフェンスを頑張ってナイナーズらしい泥臭い試合に持ってこれた」と、守備での勝利を強調した。また、バーレルがシーズンハイの25得点を挙げ、積極的なアタックが目立った青木がキャリアハイの14得点を挙げたことについても言及し、「主力選手がオフェンスでアグレッシブに意地を見せてくれて、本当にチーム全員でつかんだ良いゲームだったと思います」と、満足気な表情を浮かべた。
一方、秋田のケビン・ブラスウェルアシスタントコーチは「反応が遅く、やり返すのが遅かった」と前半のパフォーマンスを悔やむとともに、「昨日の敗戦からしっかりと準備をし、的確にアジャストしていたと思う。今日の試合に関しては、素直に仙台さんが素晴らしかった」と相手を称えた。