ジェレミー・ソーハン

「彼は自分のやりたいことをなんでもできる」

2019年に連続プレーオフ出場記録が22年で途絶えた後、再建モードに入ったスパーズは今シーズンもリーグ下位に低迷し、早々にプレーオフ戦線から脱落している。現地1月30日にはウィザーズに106-127と敗れ、ホームでのウィザーズ戦での連勝が22でストップした。

この厳しい状況の中、明るい話題となっているのが新人ジェレミー・ソーハンの活躍ぶりだ。昨シーズン、ベイラー大の1年生として平均9.2得点、6.4リバウンドを記録すると、今年のドラフト全体9位指名でスパーズに入団。現在、19歳のパワーフォワードは抜群の身体能力を生かした豪快なプレーで会場を湧かせるなどチーム随一の人気選手となった。

28日のサンズ戦ではキャリアハイとなる30得点を挙げると、ウィザーズ戦でも第1クォーターだけで15得点をマーク。そこから一気に失速し、試合を通して17得点に留まったのは課題の一つである荒削りな部分を象徴しているが、それでも相対的に見れば1月15日のキングス戦から7試合連続で14得点以上と、徐々にだが安定感も増している。

これからのスパーズを担っていく存在として楽しみなソーハンの成長ぶりには指揮官グレッグ・ポポビッチも大きな手応えを感じている。スパーズをカバーしているマシュー・ティラン記者によると、ポポビッチはこのようにソーハンを評しているという。「彼は自分のやりたいことをなんでもできる。彼のプレーを見ているのは大好きだ。まるでマヌ(ジノビリ)を獲得した当初のような感じで、彼がどんな選手になっていくのか想像もつかないよ」

アルゼンチン出身のジノビリは、ティム・ダンカン、トニー・パーカーと共に2000年代から2010年代前半におけるスパーズの黄金時代を支え、4度のNBA制覇をもたらした名ガードだ。ジノビリとソーハンではポジションもプレースタイルも違うが、ジノビリに匹敵する実力者にソーハンがなるとしたら、スパーズの再建は一気に加速していくはずだ。