接戦を落とすも、平均86.6得点の千葉Jを74点に抑えたディフェンスに手応え

1月11日、秋田ノーザンハピネッツはホームでリーグ首位の千葉ジェッツと対戦した。今シーズン3試合目の対戦となった今回は、アウェーで対戦した第9節の2試合と同様に一進一退の攻防を繰り広げるも、終盤に千葉Jの勝負強さを見せつけられて63-74で敗れた。

リードを奪われても粘り強く戦ったことで第4クォーターのオフィシャルタイムアウト時に2点ビハインドと接戦となるも、ラスト5分間の完成度に差が生じた秋田のケビン・ブラスウェルアシスタントコーチは千葉Jとの差を次のように振り返る。「最後の5分間に千葉さんがギアを上げてステップアップしてやられました。大事な場面で決め切れるところに自分たちとの差を感じます。35分までは自分たちも素晴らしいパフォーマンスだったので、それを最後まで繋げていけると次のステップに進めると思います」

敗れたことで決定力不足に目が向くが、千葉Jのフィールドゴール成功率を39.4%(平均44.7%)まで落とさせ、平均86.6得点でリーグ2位のオフェンス力を誇る千葉Jを74得点に抑えた堅守は大きな収穫と言える。ポイントガードの富樫勇樹からパワーフォワードのギャビン・エドワーズまでマークし、リバウンドやルーズボールなどに食らいつく姿を何度も見せた中山拓哉はこのようにディフェンスの手応えについて話す。「チームとしてやろうとしているディフェンスをみんな理解していました。平均80点を超える千葉さんの前半を33点に抑え込むことができたのは、チームのディフェンスができていたからです」

また、ブラスウェルアシスタントコーチも「千葉さんはアウトサイドシュートが得意ですが、ペイント内のシュート成功率がすごく高いです。しかし、今日は前回の対戦から改善し抑えることができました。加えて3ポイントシュートも20%台に抑えることができたのは、良くなった点だと思います」と、チームのアイデンティティであるディフェンスの精度には胸を張った。

13得点も自身の決定力を悔やむ「あの場面で決め切れなかったから負けてしまった」

今シーズンの秋田は、ここまでに喫した15敗のうち10点差以内の敗戦が11試合もあるなど、接戦に勝ち切れていない。平均5.8得点ながら13得点を挙げた中山も、第3クォーターまで3ポイントシュートを4本中3本決めて好調だったが追いかける展開となった第4クォーターはオープンを作るも3本中0本と精彩を欠き、反撃の狼煙を上げることはできなかった。

「田口(成浩)選手がケガで出られない状況なので、その分チームで得点を取らないといけません。今日もミスマッチが起きたら積極的にアタックすることを心掛け、個人としては多い13得点となりました。ですが、終盤に3本の3ポイントシュートを外してしまったことを考えると全然です。あの場面で決め切れなかったから負けてしまったと思うので、満足はできません。

また、ブラスウェルアシスタントコーチは今回の試合からオフェンス面での課題を次のようにとらえている。「終盤の得点を取らないといけない時間帯に、ボールを預けられる選手がいるかいないかが千葉さんとの差です。これまでの試合は今日のようにディフェンスは安定して来ているので、(相手のオフェンスを)止めた時にどうやってオフェンスに繋げるかが今後に向けた改善点です」

秋田にとってオールスター前最後の試合となった今節は、シーズン前半で課題となった勝負どころの決定力不足をあらためて感じさせられる一戦となった。中山は言う。「ここからは、自分たちがどういうチームなのか、どういう風にここまで戦ってきたのかを共通理解を持って戦っていきたいです。また、今日の試合のように勝負どころで人任せになるのではなく、個人個人がステップアップして終盤に決め切れる力を身に着けられるように、自分にベクトルを向けていきたいと思います」。2シーズン連続のチャンピオンシップ進出は、選手それぞれが課題を自覚して成長できるかどうかに懸かっている。