主導権が目まぐるしく入れ替わる白熱のシーソーゲーム
12月10日、中地区5位の横浜ビー・コルセアーズがホームの横浜国際プールにシーホース三河を迎えた。三河は16勝5敗で西地区首位に立ち、昨年の旧NBL時代には準優勝の実績を持つ強豪だ。
「5位」と「1位」、地区は違えど順位に差があり三河のワンサイドゲームを予想した人もいたかもしれない。だが三河の鈴木貴美一ヘッドコーチは「順位こそ落としてますけど……」と横浜の力を認めている。そして横浜は持てる力をしっかり出し、最後までもつれる接戦を演じた。
横浜は開始早々に、川村卓也とのピック&ロールでジェフリー・パーマー、ジェイソン・ウォッシュバーンが得点を重ねる。9-2と走ったところで三河にタイムアウトを取らせる好スタートだった。「ピック&ロールの時やウイングで持たれた時のディフェンスができていなかった」と鈴木ヘッドコーチが試合後に語ったように、序盤は横浜が優位に立ち、25-20とリードして第1クォーターを終えた。
だが第2クォーターに入ると、オン・ザ・コート「1」の横浜に対し、「2」の三河がインサイドの強みを生かして反撃を開始する。桜木ジェイアールがパワープレーと柔らかいシュートを駆使し、金丸晃輔との合わせで得点を重ねる。
終盤に比江島慎の技ありフローターシュートで逆転されるも、ウォッシュバーンが第2クォーターギリギリのところでオフェンスリバウンドを押し込み、42-41と横浜がリードして後半を迎えた。
オン・ザ・コート「1」同士の戦いとなった第3クォーター、ここも三河のインサイド陣が引き続き強さを見せる。横浜はアイザック・バッツと桜木のパワープレーに押し切られるシーンが目立ち、インサイドを攻略されたことでアウトサイドシュートへの寄せも甘くなる。
ここで三河に傾きかけた流れを引き戻し、チームを救ったのが川村だ。スクリーンを使い有利な状況を作り出して得点を重ねる。このクォーターに荒稼ぎした12得点のうち大半を後半に決め、63-63と同点で最終クォーターに突入した。
三河が見せた強豪たる所以、残り20秒での橋本の一撃
一進一退の攻防を繰り広げてきた横浜だったが、終盤になるにつれジワジワと三河にリードを広げられてしまう。マンツーマンではギャビン・エドワーズとバッツを抑えきれず、2人合わせて12点を奪われ、残り4分を切り74-82と8点差に。
「いつもの俺らだったらガタガタいってしまうところをみんなで気を引き締めて最後までボールを追いかけたことは良かったです」と川村が語ったように、ここから横浜が粘りを見せた。
ディフェンスでは運動量の激しいゾーンに切替え、タフショットを誘発し三河の勢いを止めると、厳しいマークを受け続ける細谷将司が速攻からレイアップを決め、川村の3ポイントシュートで追撃。残り33秒、強気に攻めるパーマーがシュートファウルを獲得し、フリースローを2本とも決めて83-82と逆転する。
しかし、ここからもう一伸びの力を残していたのが三河の強豪たる所以。タイムアウトで戦術を確認した三河が、横浜のゾーンディフェンスの穴を突いてノーマークとなった橋本竜馬の3ポイントシュートで逆転する。
横浜もタイムアウトを取っての残り20秒、最後のポゼッションを川村に託すも、アグレッシブな三河ディフェンスの前にタフショットを強いられこれを決められず。ファウルゲームに持ち込むも、比江島に2本ともフリースローを決められそのまま83-87で惜敗した。
勝負を決めた橋本の3ポイントシュートについて鈴木ヘッドコーチは「タッチが悪かったが打ち続けた」ことを評価し、「勝負どころで入れる力がある」と選手への信頼を口にした。
残り20秒で逆転され、勝ちきることができなかった横浜。それでも、終盤に粘りを見せ一度は逆転し、強豪の三河相手に接戦を演じたことは今後に繋がる。反省点を改善し、今日再び三河に挑む。
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