入野貴幸コーチ「今日は絶対良い入りができると確信していました」

ウインターカップ2日目の12月24日、東海大学付属諏訪は1回戦で別府溝部学園と対戦した。

東海大諏訪の入野貴幸コーチが「午前中の練習から緊張感のある雰囲気で臨めていたので、今日は絶対良い入りができると確信していました」と話すように、試合序盤からタフなディフェンスで相手のターンオーバーを誘発する堅守とファストブレイクを繰り出して14-2のランに成功する。出だしを重要視していたのは、過去2大会連続で初戦の入りに苦戦した経験があったからだ。下級生時から主力を務めてきた髙山鈴琉は好スタートを切った序盤について次のように振り返る。「1、2年生の時に初戦の入りが悪かったところが課題となっていました。今年は自分たちからガツガツ流れを取りに行けたので良かったと思います」

堅守速攻から最高のスタートを切って第1クォーターを28-11と大きくリードして終えると、続く第2クォーターではこの日12得点を挙げた中川知定真がファストブレイクや3ポイントシュートなどで得点を量産し、21点リードで試合を折り返した。

東海大諏訪がこの勢いのまま快勝するかと思われたが、「20点のリードを得たことでディフェンスがゆるくなっていた」と入野コーチが振り返るように、大きくリードした安心感と疲労もあって前半のような強度の高いディフェンスが徹底できず、別府溝部のエボマ・マーカス・アーノルドにインサイドから連続で失点してしまう。また、内外で自由にやらせてしまった。

その結果、20点以上あったリードは最終クォーター残り1分の時点で7点にまで目減りした。それでも、残り47秒に時間を使いながら相手の隙をうかがっていた髙山がレイアップを決めて悪い流れを断ち切り、85-78で逃げ切った。

入野コーチは勝利を決定づけたと髙山に対し、次のように期待している。「彼には『良いガードで終わるんじゃなくて、優勝してチームを勝たせるガードになりないさい』と話しています。鈴琉は全中で日本一の経験があります。勝たせるガードとしての感覚を持っていて、今日の試合でも随所に見られました。髙山が石口(直)と中川の心の支えとなって良いケミストリーができ始めていると思います」

そして、ともにゲームハイの22得点7アシストをマークした髙山は、追い上げを許したことを反省しつつ、日本一への思いを語った。「得点が開いた時に、自分たちがチャレンジャーだという意識がなくなり、ディフェンスの強度が落ちてしまいました。流れをつかみ続けるためにも、自分が一線のディフェンスのプレッシャーを落とさずに戦うことを意識して明日を戦いたいと思います。チーム一丸となれば、全国のどのチームにも止められないことがトップリーグを通して分かりました、自分たちの持ち味を生かしつつ日本一に向かって戦っていきたいです」